村田京子のホームページ – blog

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sIMG_2824先日、~歳の誕生日を迎えました。そのお祝いに娘からは薔薇の花束(写真左)sIMG_2828sIMG_2827が届きました。華やかな花のプレゼントは年をとっても嬉しいものです。また夫からはお祝いとして前から行ってみたかった懐石料理店「夢想庵」での食事のプレゼントがありました。お店は最近、奈良の依水園近くに場所を変え、以前は一日2組限定という予約が取りにくいお店でしたが、少し規模を大きくして新開店。真新しい座敷での食事。まずsIMG_2831「五色なます」、次のお造りはよこわ、平目、アオリイカで特によこわが美味で、わさびはすりたてで、醤油で溶かすのではなく、お造りにそのまま載せて食べるそうです。お皿は水仙の花をあしらった陶器でお造りがさらに引き立っています(写真右上)。次のお吸い物の帆立のしんじょう(写真左上)が見た目もきれいで、しんじょうが何とも言えずおいしかったです。小さなおsIMG_2829もちと桜のふもお正月の名残りと言えるでしょう。八寸も同じくお節の材料(写真左下)で下のお皿もかるたの絵柄となっていました。焼き物は甘鯛の焼き物とまながつおの味噌漬け。次の蒸し物がクエの蕪蒸しにウニが載っているという贅沢な一品(写真右下)。特にクエの身が弾力があっておいしかったです。デザートが節分が近いということで、鬼の最中(写真下)。sIMG_2833小豆、栗、アイスクリームを載せてパリパリの最中を頂きました。外はまだ真冬の寒さですが、少し春の気配を楽しめました。

Written on 2月 2nd, 2017

sIMG_2822後期の授業「西洋文化史」は、大阪府民の方々にも公開講座として一般公開しており、最後の授業の後、親睦を兼ねて聴講生の有志の方々と大学近くのイタリアレストランでランチを一緒にしました。総勢16名で、小さなお店をほぼ占領した形となりました。横長テーブルにぎっしり座った形で身動きできず、遠くに座っておられる方々とはゆっくりお話できませんでしたが、それでも約2時間、おいしい食事をいただきながら、楽しい会話に弾み、充実した時間を過ごしました。教職に就かれていた方やPC関係の方など、職種も様々な方が一堂に会し、なかなか壮観でした(写真)。理系で今まで文系の学問とは無縁だったという方もおられましたが、それぞれ退職されてから新しい分野に関心を持つようになって聴講に来られたそうで、皆さんの学問への熱意や旺盛な好奇心に圧倒されました。授業の後に毎回、授業で話した内容に関する考えや意見などをアンケートとして書いてもらっていますが、学生と社会人の方では観点が全く違うこともあり、それもまた新しい刺激となりました。また次の機会に皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。

Written on 1月 31st, 2017

6年前から堺市個人情報保護委員として、ほぼ月に一度堺市役所に通いました。任期は6年までなので、1月末で退任となり、先日、最後の委員会がありました。その後、堺市役所の担当の方々および委員の方々が送別会を開いてくれました。会場はワイン飲み放題のsIMG_2819イタリアレストランで、まずはビールで乾杯!あと白ワイン、赤ワインを飲みながらの食事とおしゃべり。委員の方々は弁護士さん、大阪ガスの堺支部の方、NHK大阪エンタープライズの方、同じく府立大の同僚教員で、普段あまりお目にかかれない異業種の方々とご一緒でき、いつもとは違う視点で社会を見ることができました。私は堺市民ではありませんが、市役所の仕事がかなり大変だということも理解でき、また委員会を通じて個人情報の保護がいかに難しいかも実感できました。こうした異業種の方々との出会いを作ってくれた委員会に感謝し、微力ながらお手伝いできたことを誇りに思っています。写真は宴もたけなわ、ワインで皆さん半分酔っ払った状態ですが、楽しい雰囲気が伝わってくると思います。

Written on 1月 28th, 2017

sIMG_2812先日また、「浪漫」にランチを食べに行ってきました。1月のメニューはやはり、sIMG_2814お正月にちなんだ料理。まず、「粟蒸し」(写真左)。九州の餅粟、鶉肉、百合根と蕗の塔の入ったもので、とろけるような風合いが体も温まる感じでした。次に小さなお餅にカラスミを挟んだもの。その次のしんじょう(写真右)は鱧のすり身に八条水菜が入っていて、見た目も鮮やか。しんじょうは普通、つなぎに卵の白身を使いますが、これは使わずに練り上げたそうです。お出汁はあっさりとしていてお腹にもたれないのがここの特徴。今回のメーンは八寸(写真左下)。上の皿の数の子は昔ながらの干しsIMG_2817数の子で、何晩に水につけて柔sIMG_2815らかくしたもので、鰹節と一緒に手で割いて食べる、というものでした。コリコリとした歯ごたえが何とも言えない味わい!。普段は数の子は食べないのですが、これは抵抗なく食べられました。もう一つのお皿には黒豆、ゴマメ、たたきごぼう、鯛の昆布締めなどのおせち料理。黒豆はすごく柔らかく炊けていました。鰊の昆布巻きも同様に、柔らかくて歯で噛み切る必要がないほど。お皿もお正月らしく、金の羽子板に白い鶴のお皿と目出度いたいこと、この上なし!。ご飯は麦とろ(写真右下)で、お正月2日に食べるのだそうです。デザートは上用饅頭(自然薯で作った手作り)にお薄で頂きました。今年も健康で何か新しいチャレンジをしてみたいと思っています。

Written on 1月 22nd, 2017

simg_279212月3日(土)に、津市のビストロ「ラ・フルール」でバルザックに因む料理(Robert simg_2784Courtineの著書Balzac à la table(『バルザックの食卓』)に記載のレシピに基づいた料理)とワインを楽しむ会があり、参加してきました(写真左はクルティーヌの本を持つシェフの竹谷さん)。津駅近くのお店(写真右)で、パリの下町のビストロ、という風情(店の中も)でした。主催は三重日仏協会で、阪大名誉教授でバルザック研究の重鎮、柏木隆雄先生(写真左下)のレストランの歴史に関するお話があった後、まず的矢牡蠣(写真右下)が出てきて、皆、その新鮮な味に感嘆の声が出ました。さすが、三重県が誇るsimg_2786牡蠣だけありました。オードブルはムール貝のムクラド(mouclade)とひき肉を網脂で包んだクレピネット(crépinette)(写真)、さらにバルザックの故郷トゥールの名物のポークリエット (riette de porc)をつけて腸詰のブーダン・simg_2789simg_2790ラン(boudin blanc)を頂きました(写真)。魚料理は「鰻のグリエ ゴランフロ風」(anguille à la gorenflot)(simg_2793写真下)。フランスsimg_2791料理で出てくる鰻は開かないのでそのままゴロンと丸太のような形で出てきて脂っぽくて日本人の口に合いませんが、今回出てきた料理は白焼きの鰻のようで、トマトベースのソースをかけて食べるとあっさりとした食感で美味でした!「ゴロンフロ」というのはsimg_2800アレクサンドル・デュマの小説simg_0060に出てくる人物名だそうです。肉調理はバルザックの『従兄ポンス』に出てくる下宿屋のシボ夫人が作ってくれた牛のほほ肉を使った煮込み料理「ミトロン」 (mitron)。アラン・デュカスのレシピに基づいたものと2種類出してくれましたが、前者の方が肉がとろける様に柔らかくておいしかったです。さらに、お店のサービスとして鶉をローストしたものにグラタン・ソース(ゴディボーというグラタンで、レバーに卵黄を混ぜた黒いものが1800年当時、グラタンと呼ばれていたそうです)(写真上)。デザートは食通のブリヤ=サヴァランに因んでつけられたサヴァラン(savarin)(写真上)で、デザートワインを合わせて頂きました。柏木先生ご持参の赤ワイン、ポイヤックなど、ワインも料理にマッチして、帰りはほろ酔い加減で電車に乗り込みました。1999年のバルザック生誕二百周年の時に、フランスのトゥールでやはりgastronomie balzacienneと銘打って、食通の町で有名なトゥールの一流レストランで、バルザックに因んだ料理を出す催しが数カ月にわたってありました。ちょうど国際学会でトゥールに行っていたので、そのうちの一つに参加して料理を堪能しましたが、今回の「ラ・フルール」の料理もその時に劣らない料理の質でした。参加メンバーの方々も仏文関係以外にお医者さんやプロのピアニスト、新聞記者の方などヴァラエティに富み、いろいろなお話ができました。また、次の機会もあれば是非参加したいと思っています。

Written on 12月 4th, 2016

simg_2776パリ第1大学教授、ドミニク・カリファ先生が来日されました。今回はそのご著書の翻訳書『犯罪・捜査・メディア 19世紀フランスの治安と文化』(法政大学出版局)が出版されたこともあり、カリファ先生の弟子であり、この本の翻訳者でもある立命館大学講師の梅澤礼さんのお誘いで、京都での食事会に参加しました(写真左)。レストランは5月にディアズ先生ご夫妻と一緒に食事をして大変好評だった烏丸御池のイタリアレストン「オルト」。カリファ先生はミシェル・ペローやアラン・コルバンの歴史研究の流れを受け、19世紀フランスの犯罪者像をロマン主義時代の文学作品(バルザックやユゴー、ウジェーヌ・シューなど)を参照しながら読み解き、実在の人物ヴィドックをモデルとしたヴォートランやジャベール、ジャン・バルジャンなど、ピトレスクな犯罪者からルイ・シュバリエが指摘する匿名の労働者階級が次第に「危険な階級」となり、さらに世紀末になるとその労働者階級からドロップアウトしたならず者集団「アパッチ」が人々の恐怖の的になる、という時代精神の推移を当時の新聞・雑誌(とりわけ大衆紙)を通して分析されています。面白いのは、新聞では「アパッチ」族の夜襲というのがしばしば語られているのに、実際はそのような事件は起こっていない、という現実との乖離で、言わば「都市伝説」のようなものが新聞によって作られていたことです。他にもご著書の中で、公権力を担う警察、司法組織についても言及されていますが、19世紀当時、警察官は民衆に嫌われ、軽蔑されていて警察は「恥ずべき職業」であったこと、そのイメージを立て直し、警察を正当化し擁護しようとする努力が警察官の回想録の中に現れている、というご指摘が大変印象に残りました。また、先生のご著書の後半は、新聞の三面記事と新聞小説の相互影響、犯罪小説の隆盛の分析に当てられています。こうした事柄に関して、立命館大学と慶応大学でのご講演(ポスター)でお話されることになっていましたが、私は残念ながら授業があって参加できませんでした。

simg_2771「オルト」では相変わらず手の込んだ素晴らしい料理が次々に出てきて、img_2772カリファ先生も感嘆されていました。夜は一つのコースしかありませんが、全部で11品もでてくる、という大饗宴!アミューズ・グールはりんごのスープ(少しわさびが入っている)、オードブルは洋梨と帆立(写真左:涼しげなガラスのお皿も美しい!)、次に出てきた「栗」(写真右)は、栗の形をした最中の皮の中に、京鴨のペーストが入っている、というもので晩秋をイメージした、美しい盛り付けになっsimg_2778ていました。simg_2780次に「秋鮭」、「菜園」はいつものように50種類近くの野菜や食べれる花が入っていました。次の「落花生、雉」(写真左下)は白トリュフが乗っています。次がさわらに柿のソース、牛肉のミソソース(写真右下)、さらにこの牛肉を使った洋simg_2783風丼が少し、デザートは日本の梨を使ったものと、酒粕のデザート(写真)で満足度120%の食事でした。ワインは発泡ワインの後、アルザスの赤ワイン、日本酒は「抱腹絶倒」という面白いネーミングの冷酒を飲みましたが、すごくフルーティーな白ワインという味わいで、カリファ先生も「本物の日本酒」(フランスには「日本酒」と称するまがいもののお酒が多いので)を飲めた、と喜んでおられました。一日中冷たい雨の降る寒い京都でしたが、心とお腹は暖かい、充実した夜となりました。

Written on 11月 30th, 2016

nouveau1今年もボジョレ・ヌヴォーの季節が来ました。今回は自宅ではAntoine nouveau2Chateletのボジョレ(写真左)、聴講生の人たちとはGeorges Duboeufのボジョレ(写真右)(武市さんの差し入れ、ありがとうございます!)を飲みました。ヌヴオーは軽め赤ワインなので、ワイン初心者でも飲みやすいワインと言えるでしょう。チーズはブリーチーズ。どちらもおいしく頂きました。今年はフランスも大洪水や天候不順でぶどうの木もだいぶ被害があったようで、辛口白ワインで私も好きなシャブリは不作のようです。地球温暖化でワインの産地も北上しているようですが、味も変わってくるかもわかりません。

Written on 11月 23rd, 2016

simg_2724奈良のミシュラン2つ星の懐石料理店「花垣」に食事にsimg_2727行ってきました。住宅街の中にある一軒家で、一日2組しか取らないという店主の凝りようがすごいお店です。ここは4度目ですが、いつ行っても非常に凝った料理が美しsimg_2728いお皿(店主の骨董趣味で毎回素晴らしい器が出てきます)に盛られて出てきます。今日はまず、かぶら蒸し(百合根に甘鯛、海老)から始まり、葛のとろりとした感覚にわさびがぴりっとして本当に絶品でした(写真左)。次は富田林の海老芋を揚げたもsimg_2729の。その次が河豚の山椒焼きで店主自らが眼の前で焼いてくれました(写真右2枚)。河豚はてっさかてっちりでしか食べたことがなく、ぷりぷりした歯ごたえの身が今まで食べたことのない河豚体験となりました(河豚はさらに、最後に河豚飯となって出てきました)。お皿はすごくきれいな模様の九谷焼(なかなかモダンな柄です)。お造りsimg_2730(写真左下)は鮪とぶり、鯛の昆布じめ、海老でしたが、ぶりが一見、牛肉に見えるほどの色合いで本当にとろけるような味でした。お吸い物は蟹しんじょう(写真右下)。卵を使わず魚のすり身でまとめているとか。お出汁が薄味なのですが、何ともこくのある味でお腹に優しい味に仕上がっていました。上に載っている小さなかぶらは、葉、茎の部分をわりばしで止めて鍋の上に出し、まず硬い蕪の実から茹で、この小さな実も皮を剥いているそうです(ものすごい細かい作業に唖然!)あと、尾崎牛と北海道の牡蠣に、茄子、レンコン、牛蒡などの付け合わせ。デザートは洋梨、無花果のコンポートにロゼワインソースがかかったものと、コーヒー風味simg_2733のブランマンジェ(写真)。ブラマンジェは本当に滑らかな食感でおいしかったです。河豚飯は土鍋で炊いたもので、残りは後でおむすびにしてお土産に頂きました。至福のひと時を過ごすことができました。

Written on 11月 20th, 2016

s%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc京都国立近代美術館に「メアリ・カサット展」を見に行ってきました(ポスター)。カサットは19世紀後半の印象派の画家で、アメリカの裕福な家庭に育った彼女が単身、パリに渡り、画家修業をした女性です。1868年に彼女の絵《マンドリン奏者》がサロンに入選するものの、あまり評価されずにいたのが、エドガー・ドガの絵に出会ってドガの影響を受け、新しい絵画表現に目覚めます。ポスターの絵《桟敷席にて》(1878)は、彼女の代表作で、当時流行の黒いドレスに身を包み、オペラグラスで舞台を見つめる女性が描かれています。この絵で面白いのは、その彼女にオペラグラスを向ける男性が絵の後景に描かれていることで、当時、女性は劇場でも「見られる対象」であったことを皮肉な形で描いています。カサットは1890年代から母と子どもの姿を描いた絵を数多く描き、「母子像の画家」と称されました。%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%83%83%e3%83%88その一つの《果実をとろうする子ども》(1893)(左図)では、母親がリンゴの木の枝を子どもに優しく引き寄せてあげています。このりんごは「知恵の実」を象徴し、%e3%82%ab%e3%82%b5%e3%83%83%e3%83%88%ef%bc%92「教育における母親像」をこの作品に託したとされています。また、背景が平面的に描かれているのは、日本の浮世絵の影響だと言われています。喜多川歌麿の合わせ鏡のモチーフの影響を受けた絵画もありました。さらに《沐浴する女性》(1890-91)(右図)は、浮世絵の影響が非常によく分かる絵で、女性の身体の素晴らしいデッサンはドガが羨んだとか。女性の裸体像でも男性画家の絵と違い、エロティックというよりは何か凛とした強さを感じます。1893年のシカゴ万博では「女性館」の壁画制作として「新しい女性たち」の姿を描くなど、彼女は自由で自立した人生を歩いた、数少ない女性画家であったと言えるでしょう。しかしカサット自身は生涯独身で子どもがいなかったのに、母子像を多く描いたのはどのような気持ちによるのか、知りたいものです。

simg_2723絵を見る前に祇園のイタリアレストラン「スコルピオーネ」(写真)で友人と一緒にランチを楽しみました。町屋を改造したお店で格子戸を開くと石畳の道があり、玄関になっています。前菜(写真右)―鮮魚のカルパッチョ―は見た目もきれいでおいしく、メインの和牛肉の湯葉巻き揚げ(写真中央)も工夫がなされていました(ソースが少し辛目で赤ワインが欲しくなりましたsimg_2719)。これから本格的な紅葉の季節になるので、お店は予約で一simg_2721杯の状態とのことです。

 

 

 

 

Written on 11月 8th, 2016

s%e3%83%9d%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc1981年にノーベル化学賞を受賞(福井謙一教授と共同受賞)したコーネル大学名誉教授ロアルド・ホフマン氏が書いた劇の上演を見に、名古屋工業大学まで行ってきました。ホフマン氏はこれまでにも2作、戯曲を書かれていてこれが3作目でタイトルは「これはあなたのもの」(ポスター)。氏は70年以上前にポーランド(現ウクライナ)に生まれたユダヤ人で、ナチスの侵攻によってユダヤ人迫害があった時代、母親と6歳のホフマン氏はウクライナ人に匿われ、屋根裏部屋で約2年間隠れて過ごし(ただし父親はナチスによって殺害された)、11歳の時にアメリカに渡って安住の地を得た、という数奇な人生を送った方で、その経験をもとに書いたのが本戯曲です。物語は1992年、アメリカのフィラデルフィアに住むユダヤ人の母フリーダと息子のエミール、エミールの妻テイマーと17歳の娘ヘザー、13歳の息子ダニー。それと1943-44年のウクライナのグリニヴ(フリーダ、エミール母子が屋根裏部屋に隠れている)が交差して演じられています。自分の夫や妹を死に追いやったウクライナ人たちを「人殺し」として罵る母親のフリーダと、自分たちを匿ってくれたウクライナ人のオレスコへの恩を感じる息子のエミール、と二人の人物を中心に物語が展開します。オレスコの娘アラが両親の遺品の中にフリーダの結婚指輪を見つけ、それを返すために一家を訪れることによって、これまで封印してきた古い記憶が呼び起こされ、大きな波紋をもたらす話です。フリーダがアラがわざわざ届けてくれた自分の結婚指輪を「匿ってもらう代償としてオレスコに渡したもの」だから「これはあなたのもの」と言って受け取らない、というのが彼女の複雑な心境を物語っています。劇の最後に「忘却」の箱をそれぞれ火にくべる、という終わり方もいろいろ解釈でき、深い余韻を残すお芝居でした。

simg_2716今回の劇は知り合いの名工大の川島慶子教授が日本での上演を実現したもので、名古屋の劇団が演じていますが、最初の天国のシーンは名工大の学生たちが演じ、さらに舞台装置も学生たちの手作りだそうです(写真左:役者さんたちとホフマン先生、右にいて通訳しているのが川島さん)。ホフマン先生と少し話ができましたが、ものすごく気さくな方で、フランス文学はスタンダール、ゾラなどが愛読書とのこと(劇中にも主人公と同じ名のエミール・ゾラに言及され、ドレフュス事件の話が少し入っていました)。写真右はホフマン先生を挟んで、私と一緒に観劇したいおりさんと3人simg_2717で撮ってもらいました。このお芝居は来年さらに本格的に全国を回る(著名な演出家が担当し、有名な女優さんがフリーダ役を演じるとか)そうで、楽しみです。

Written on 11月 5th, 2016

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