村田京子のホームページ – blog

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sIMG_31759月に開催されるバルザックの国際シンポジウムsIMG_3176(於 大阪府立大学 I-site なんば)の懇親会場の下見にカジュアルフレンチ料理店「びすとろぼたじえ」(Bistrot pot à J)―「菜園(potager)のお店」かと思いきや、違う意味の店名のようです。オーナーに名前の由来を聞くのを忘れてしまいました―に主催者メンバーと一緒に行ってきました。シンポジsIMG_3177ウム会場の最寄り駅「大国町」からは四つ橋線で数分の「玉出」駅で降り、徒歩5分でレストランに着く、という最適な立地sIMG_3178のレストランでした。全部で2,30人くらいで満杯になるような小さなお店ですが、白を基調とした明るいお店で、オーナー・シェフの肥田さんは辻調理師学校のフランス校(およびアメリカ校)の校長だった方だそうです。知り合いの辻調理師学校の先生方も一緒に来て頂き、夕食を戴きながら、バルザックにちなんだ料理を1、2品、懇親会に出そうと計画しています(メニューはこれから)。食事の方はまず、アミューズ・グールとして「焼きなすのポタージュ」(写真左上:見た目にはなすとは思えないスープですが、確かに香ばしい焼きなすの香りがしました)。前菜は「盛り合わせ」(写真右上)を頼み、ラタトイユや細切り人参、サーモン、ハム、テリーヌなどをシャンパンとともに頂きました。バルザックにもおなじみのリエット(豚肉のペースト状のものでパンにつけて食べる)もあり、いかにもフランスのビストロ、といった感じでした。メインは「舌平目のムニエル デュググレ風」(写真左下)を注文。フレンチレストランで、その店の味の良しあしを知るには舌平目を頼むのが一番、という辻調理師学校の先生に教えられてさっそく注文した次第です(「デュググレ」はこのソースを考えだした19世紀のシェフの名前)。デザートは夏ミカンのアイスクリームとクラフティ、カラメル入りケーキ(写真右下)をおいしく戴きました。デザートは特にシェフが力を入れているものだそうです。9月のシンポジウムの後の懇親会、参加者にも楽しんでもらえそうです。

Written on 6月 13th, 2017

sIMG_3167いつもの「浪漫」にランチを取りに行ってきました。今回はまず、sIMG_3169長芋をすったものを卵の白身を泡立てたものとゼラチン、寒天で豆腐状にしたものが、焼きなすの上に乗った品(写真左)から始まりました。器も涼しげな水色のガラス鉢で、初夏を感じさせます。次に鮪の漬けのにぎり、お吸い物は鱧と金時草(写真右)。鱧は骨切りが素晴らしく(包丁を45度の角度にして細かく音を立てずに切っていくそうです)、口に入れるとふわっと溶けてしまい様な感覚。出汁は昆布と鰹節で醤油はほとんど入っておらず、出汁の味だけですっきりとした味わい。八寸sIMG_3170(写真左下)はジュレの上に青梅、レンコンで少し酸っぱめの夏ミカンを挟んだもの、sIMG_3171生麩の中によもぎが入ったもの、じゅん菜、そして黒蕨の上に湯葉を味噌で和えたもの。どれも丁寧に作られていました。次に鱧の身を備長炭の火でさっとあぶったものと鱧の胆(写真右下)をたで酢でいただきました。やはり鱧の身が何とも柔らかい歯触りで、炭で炙った皮が香ばしい!6月の献立のメインは実は鮎の塩焼きだったのですが、今朝届いた生きた鮎を水槽に入れて泳がせていた時、何かの拍子に鮎が水槽のガラスに当たって痛んだそうsIMG_3172で、急きょ、鮎をやめて鱧にメニューを変更したそうです。私たsIMG_3173ちが普段食べる鮎はもちろん、すでに死んでいるものを魚屋で買ってきて調理するので、多分、今日の鮎を食べても活きのいい鮎との違いはわからなかったでしょうが、プロとしては客に出してはいけない、という大将の矜持があるようです。しかし、鱧、さすが骨切りが抜群なのでよそでは食べた事のないおいしさでした。次に新じゃがいものから揚げを添えた豚の角煮(写真左)。豚肉は焼酎で混ぜたおからにsIMG_3174包み、強火で8時間蒸した後に味付けするそうで、お箸で切れるほど柔らかいものでした。炊きたてのご飯と泉州の水なす、それと白髪ソーメンと言われる細いソーメンの入った坦々麺風のお汁(写真右)。デザートは濃厚牛乳のアイスクリーム(写真下)、上には青大豆を擦ったもの、黒蜜がかけられたもので、非常に濃密なお味でした。いつもながら心のこもった料理と大将との会話を他のお客さんと一緒に楽しみました。

Written on 6月 11th, 2017

sIMG_3158上京の折には毎年、東京の友人たち(高校時代の同sIMG_3159級生)が、食事とおしゃべりの会を開いてくれています。今回の会場は六本木の中華の老舗「中国飯店」。横浜の中華街で食べた中華とはまた違う、非常に洗練された料理が出てきました。まずは前菜(写真左:ピータン、くらげなど)。次にスープ(豆腐と卵、筍入り)、海老を衣につけて揚げて甘辛く味付けたもの(写真右)、ショーロンポー、肉団子(写真左下)は歯ごたえがかりっとして絶品の味でしsIMG_3161た。そしてチャーハン(写真右下)は少し変わっていsIMG_3163て今まで食べた事のないものでした。デザートは杏仁豆腐でしたが、最後にもう一品、デザートがでてきてびっくり!実はもう一人、朱実さんが参加するはずが何と前日と間違えてお店に来てしまったそうで、当日は所用のため出れないため、差し入れをしてくれました。その気遣いに皆、大いに感銘を受けました。朱実さん、ありがとう!差し入れは餡入りの小さなお団子の入ったデザート(左)で非常にあっさりした味で、満腹sIMG_3166でも難なくお腹に入りました。食卓での話題は夫のsIMG_3165停年、孫、介護、健康の問題と年齢相応の話題ですが、こうやって元気に会って話ができるのが何よりの楽しみです。話しているうちに気持ちの上では高校生の時代に戻ったような気がするのは不思議です(写真右)。

Written on 6月 7th, 2017

sファッション横浜に行ったついでに横浜美術館で開催されている「ファッションとアート 麗しき東西交流展」(ポスター)を見てきました。1859年の開港以来、横浜は西洋文化を受け入れ、日本文化を送りだす玄関口としての役割を担ってきました。この展覧会は「19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術に焦点を当て、横浜を一つの拠点とする東西の文化交流が、人々の生活や美意識にどのような影響を及ぼしたのかを紹介」するものです。浮世絵がヨーロッパに入って、絵画やファッションに大きな影響を及ぼしましたが、日本の着物を室内着のガウンやコートとして着るのが流行ったようです(やはり、帯をきちんと締めるのはかなり難しかったのと、体を締め付けるので敬遠され、むしろ、着物をふわっとドレスの上に羽織るのがおしゃれだったようです)。宮川香山のキッチュな花瓶や豪華な色彩の伊万里焼など、いかにも派手好きの西洋人が好みそうな品が輸出用に作られました。逆に、オートクチュールの祖、ウォルトなども日本や中国の衣装に影響を受けたコートをデザインしていて、相互の影響関係がわかって面白いものでした。

また、東京の六本木の森美術館では「大エルミタージュ美術館展」(ポスター)が開催されsエルミタージュていたので、見に行ってきました。18世紀の女帝エカテリーナ2世が取得したコレクションから始まり、歴代皇帝が国家の威信をかけて美術品を収集したエルミタージュ美術館は今では1万7千点におよぶ美術品の宝庫となっています。今回はそのうち、ティツィアーノなど16世紀ルネサンスから17世紀のバロック美術、レンブラントをはじめとするオランダ派の風俗画、シャルダンやフラゴナールなど18世紀ロココの代表作など85点が展示されています。特に印象に残ったのは、ポスターにもあるクラーナハの《リンゴの木の下の聖母子》。幼子イエスの手にあるリンゴは、sスネイデルスエデンの園のリンゴで、人類の贖罪を担うイエス・キリストを暗示し、右手のパンは1つのパンを5000人に分け与えた「奇跡のパン」を意味しているそうです。クラーナハにしては、マリアの顔はそれほど細長くなく、艶やかな金髪といい、生身の女性のイメージで描かれています。幼子イエスもどこにでもいる可愛い赤ちゃんで、人間的な聖母子像だと思いました。また、ルーベンスの工房を手伝った動物画家フランス・スネイデルスの《鳥のコンサート》(左図)にも非常に大きな印象を受けました。136,5×240 cmという巨大なカンヴァスに様々な鳥が躍動的に描かれており、あたかも鳥の集会を行っているかのようで面白かったです。森美術館ではマーベル展も別に開催され、そちらの方も朝からずらっと観客が並んでいて大盛況。近くの国立新美術館ではミュシャ展もやっていましたが、ものすごい人の列で、体力・気力的に無理だと諦めました。しかし、東京は面白そうな展覧会があちこちで開催されていて、大阪はそれに比べると、文化貧困地区だと改めて実感しながら帰途につきました。

Written on 6月 7th, 2017

sFlaubertフランスのラ・サール大学名誉教授でフローベール研究の第一人者(フランスで最も権威のあるプレイヤッド版のフローベールを担当されている)、ジャンヌ・ベム先生が関東学院大学の大鐘敦子教授の招聘で来日されました。その講演会を聞きに横浜の会場に出かけました。講演のタイトルは« La Tentation de saint Antoine : une manière pour le jeune Flaubert de dire « je »»(ポスター参照)。フローベール作tsa_brueghel品は『ボヴァリー夫人』『感情教育』『三つの物語』『サランボー』までは読んでいたのですが、『聖アントワーヌの誘惑』はこれまで読んでおらず、講演会にあわせて慌ててテクストを読みました。いわゆる聖書に出てくる物語で、砂漠で苦行する聖アントワーヌの前に7つの大罪(「暴食」、「色欲」、「強欲」、「憂鬱」、「憤怒」、「怠惰」、「虚飾」、「傲慢」)にあたる誘惑が様々な形で彼を襲う、というものですが、フ800px-Temptation_of_Saint_Anthony_(Grünewald),_detailローベールは古代や様々な宗教などに関する膨大な資料にあたって書いているので、ものすごく難解(テクストの後ろに語彙説明がついているほど)で読み終わるのに苦労しました。フローベールはブリューゲルの絵画《聖アントワーヌの誘惑》(右図:ろくろ首のような女性は「食欲」の罪を背負っている)にインスピレーションを得たとのこと。私は個人的にはグリュネワルトの同じタイトルの絵(左下図)の方がより奇怪で好きなのですが、フローベールは他のどの画家の絵よりもブリューゲルの聖アントワーヌに惹かれたようです。この作品は彼がまだ20代後半(1849年)の時に書いたものの、友人たちの評価が悪くてお蔵入り、何度も書き直して1874年に刊行、という作家人生を通じて書いたとも言える作品で、今回のベム先生はその初稿を取り上げ、聖アントワーヌに作者自身(「私」)が重なっているという話で、大変興味深いものでした。講演の初めには20世紀初めの日本に来たフランスの写真家の写真(市電が通る道で赤ん坊を背負った母親や通行人が通る様子を大きな壁を背景に撮ったスナップショット)を見せてくれ、壁の染みが舞台の幕のように見え、一種の舞sIMG_3153台となっていて、異国の人の眼を通した当時の日本人像が浮き彫りになっていました。

講演会の後は横浜の中華街(写真左)で夕食をベム先生とsIMG_6331一緒に取りました。「金香楼」というお店で、中国情緒溢れる「水上庭園席」で名物の壺料理を頂きました。酢豚やフカヒレスープなどおなじみの料理ですが、四川の麻婆豆腐はさすがにかなり辛かったです!ベム先生も中華を楽しんでおられました(写真右:中央)。

 

Written on 6月 7th, 2017

sホフマン1981年のノーベル化学賞を受賞されたロアルド・ホフマン氏が書かれた戯曲「これはあなたのもの」を西宮の兵庫県立芸術文化センターまで見に行ってきました(ポスター)。昨年11月にホフマン先生ご自身が来日され、名古屋工業大学でこのお芝居が上演されましたが、この時は名工大の学生さんや地元の劇団の方が演じていましたが、今回は本格的なお芝居として、主役のフリーダには八千草薫さん、その息子のエミールには吉田栄作さん、アーラ役にはかとうかず子さんというテレビでも主役級の俳優さんたちが登場しています。11月にも名古屋まで芝居を見に行ったので同じ内容のお芝居を見たことになりますが、舞台装置がさすが、大学のホールとは違って凝ったものでした。ナチス占領下の1943年のウクライナの屋根裏部屋(ユダヤ人の母親フリーダと6歳の息子エミールがウクライナ人教師のオレスコの家に匿われている)と、1992年のアメリカ、フィラデルフィアのエミールの家(母親のフリーダと妻で心理学者のタマール、17歳の娘ヘザーと13歳の息子ダニーの家族)が、劇では交錯しますが、今回は垂直的構造を取って、下が1992年現在、上が屋根裏部屋の窓(小学校の運動場が見え、「自由の窓」の象徴)を背景にした風景に分けられ、1943年の時は上段に照明が当てられる仕組みとなっていました。ユダヤ人の同胞のために戦ってナチスに殺された(すなわち、妻子よりも同胞を選んだ)夫への妻としての複雑な気持ち、夫や妹など身近な者をウクライナ人のために殺されたため、ウクライナ人への深い恨みを持ちながらも、オレスコのような善意のウクライナ人に助けられた、という善悪ないまぜの状態に立つフリーダの気持ちが、決して声を荒げることはなく沈黙を通したり、または「ウクライナ人は人殺し」とのみ言う彼女の気持ちを八千草さんがさすがにうまく表現しておられました。オレスコの娘のアーラが両親の遺品の中から金の結婚指輪を見つけ、それを返しにわざわざフィラデルフィアの家まで寄ってくれても、フリーダは匿ってもらう代わりに金品を渡すという契約であったのだから、「それはあなたのもの」と主張して受け取らない、というのが従来の感傷的なドラマ(例えばフリーダが涙ながらに指輪を受け取り、二人が抱き合う、といった筋書き)とは違う大きな点だと思います。観客にとってはカタルシスがなく、何ともすっきりしない形で幕を閉じますが、そこにホフマンさんの狙いがあったように思います。彼はあえて「オープンエンド」にしたとインタビューに答えておられ、結論は観客に任しています。舞台の最初に天国の場面が唐突に出てきて、「真理」が粉々に割れる場面がありますが、絶対的な「真理」は存在しない、という意味にも思えます。また、アメリカの中流階級として恵まれた生活を送るエミール一家と、ソ連の共産社会で不自由な生活を余儀なくされたオレスコ一家(フリーダたちがアメリカから必要な物資を毎年小包で送っている)―ソ連崩壊後はウクライナとして独立―との立場の逆転も見逃せない点だと思います。

しかし、15かsIMG_3145月もこの家に隠れ住みsIMG_3148、戦後も苦労してアメリカに渡って、苦学の末にノーベル賞を受賞されたホフマン先生はたぐいまれな努力の人であったと言えるでしょう。しかもアメリカの大学ではドナルド・キーンから日本文学を学び、文学にも興味を持っておられたとのこと、さすがに一流の科学者は文学にも造詣が深い、と大いに感銘を受けました。

お芝居を見た後は、西宮北口の懐石料理店「花ゆう」でおいしい料理を頂きました。特にお吸い物の「海老しんじょう」(写真左)と鯛のアラ炊き(写真右:たで酢のソースでさっぱりした食感)は絶品でした。

Written on 6月 1st, 2017

sIMG_3123連休中に大阪本町のフレンチレストラン「ラ・シム」(La Cime :フランス語でsIMG_3124「頂」という意味)にランチを食べに行ってきました。まずはシャンペン(サンテミリオンのChâteau le Châtelet, 1998年)(写真左)で乾杯。アミューズ・グールは3種で、まずは空豆のお焼きのようなものの上にリコッタチーズと空豆(写真右:下は木の切り株を模したもの)、次が「ニシン蕎麦」というメニューでどのように出てくるのか、と思っていると、蕎麦のガレット(少し京都の焼いた八つ橋の細い筒を半分に割ったようなもの:上にはこしゃくという小さな野草の花がのっています)の上に小さなニシンが乗っていました!(写真左下)。3つ目が「イカ、日向夏とカラスミのアクセント」(写真右下)。sIMG_3126イカの上に細かく切ったカラスミがまぶされ、日向夏のゼリー、パンジーの花と一緒に彩りよくお皿に盛られていて、見た目もsIMG_3125美しいものでした。次に「野草のラヴィオリとタケノコ スープ仕立て」(写真左)。焼いたタケノコはこれ以上無理、と思えるほど薄く切った形で、下に野草の入ったラヴィオリが埋まっていて、スープはイリコの出汁にトマト汁が少し入った日本風の味付け。次が「足赤エビ 緑鮮やかなな春のお豆」(写真右)ということで、足赤エビの頭は殻ごとパリパリ食べ、身の方はグリンsIMG_3128ピースの葉で包まれ、その蔓や豆が入っている、というもの。豆は生で食べられるほど新鮮で、少し茹でているそうsIMG_3127ですがシャキシャキとした歯触りがありました。メインは「舌平目 蕗のつぼみとコールラビ、ヨーグルトソース」(写真左)で、舌平目の上にはアンチョビの泡が乗っています。ヨーグルトソースが絶品で、ヨーグルトにシャルトルーズを加え、ハーブであえたものだそうです。肉料理はシェフの故郷である「奄美大島 島豚 アーティチョークとペコロス」(写真右)。フレンチで豚肉が出るのは珍しいでsIMG_3130すが、一つはロースを背脂で巻いたsIMG_3129もの、もう一つはバラ肉。付け合わせは、油で揚げたアーティチョークとペコロス(小玉ねぎ)。濃厚なソースにぴったりでした。デザートは「シャンパンのジュレとわらび餅」と「ブラッドオレンジのババ 赤いソルベとチュイル」。特にソルベの上に乗っているアーモンドのチュイル(瓦)の組み合わせが面白かったです(写真左)。最後の飲み物はこれもsIMG_3134、奄美のお茶(しょうがの香りのする)、サネン茶を頼み、その茶菓sIMG_3133子(写真下)が本当に美しい!これもシェフお手製のものだそうで、本当に手の込んだ料理で大満足の一日でした。

Written on 5月 3rd, 2017

sシャセリオー東京の西洋美術館にシャセリオー展(ポスター)を見に行ってきました。テオドール・シャセリオーは新古典主義の巨匠ドミニク・アングルにわずか11歳で弟子入りを認められ、16歳で画壇にデビューしたフランスの天才的な画家です。彼は神話やsシャセリオー2聖書など、古典的な主題を描きながらも情熱溢れるロマン主義的な絵画を描くようになり、1846年にアルジェリアを旅して以来、オリエントを題材にした絵画も多く描き、オリエンタリスムの画家ともみなされています。さらに、ギュスターヴ・モローやオディロン・ルドン等の象徴主義の画家や、壁画装飾においてはピュヴィス・ド・シャヴァンヌもシャセリオーから影響を受けた画家とされています。シャセリオーは1856年に37歳で急逝、早すぎる死は残念な限りです。ポスターの《カバリュス嬢の肖像画》は、清楚な衣装を身にまとい、楚々としながらも視線をまっすぐ正面(鑑賞者)に向けている女性の姿には意志の強さが見て取れます。また、神話から題材を取った《アポロンとダフネ》(右図)はアポロンの求婚から逃れるために月桂樹に姿を変えるダフネの、もはや感情を持たないような伏sシャセリオー3せた眼差しが印象的です。あと、オリエントの絵画としては、《コンスタンティーヌのユダヤの娘》(右下図)が印象に残りました。エキゾチックな衣装を着たまだ10代と思えるユダヤ女性ですが、幼さを残しながらも非常に魅力的で、媚びることなく正面をまっすぐ見定める黒い眼に太い黒い眉が印象的です。少し、バルザックの小説にでてくるユダヤの美女エステルを思い出しました。壁画としてはエジプトのマリアの壁画もあって興味深いものでした。

sIMG_3110上京したついでに友人と恵比寿のsIMG_3111ウェステインホテル最上階のフレンチレストラン「ヴィクターズ」でランチを一緒にしました。このレストランは野菜を使った料理に凝っていて、オードブルはsIMG_3114「ウフブルイエのエスプーsIMG_3112マ、季節の野菜添え」(写真左):卵を泡立てたものがソースとなっていて野菜をつけて食べるというもの。見た目もすごく春らしく、きれいでした。次にカリフラワーのポタージュ(写真中央)、メインは「サーモンのスチームと帆立のハーブクリームソース」(写真左下)。デザートが変わっていて「野菜のパフェ」(写真右下)。かぼちゃやレンコンの薄切りを乾燥させたものが上に乗っているバフェで野菜がたっぷり入った濃厚な味のパフェでした(下のお皿もきれい!)。東京でのランチを満喫しました。

Written on 4月 23rd, 2017

sIMG_3093本学の浅井美智子先生が3月末で定年退職となり、その記念講演会が先日、行われました(写真左は講演中の浅井先生)。浅井先生の経歴で面白いのは他の大学で教授として務められていたのが、教授という職階のために大学内での様々な雑務を負わされ、それが厭で府立大学の専任講師のポストに応募された、といういきさつ。いかにも社会的ポストよりも自分の生きたい道を進む、という浅井先生のポリシーがよく現れています。もともと登校拒否で学校に通わず、本を読んで過ごしていたという子ども時代から自分のポリシーを守るというぶれない生き方をされてきたsIMG_3098浅井先生に本当に大きな感銘を受けました。先生のご講演では、こうした自らの人生経験をふまえながら、ルソー研究から女性の生殖の問題―ルソーの『告白』や『新エロイーズ』『エミール』において、女性は命をかけて子どもを産み、育てる存在と規定されていることに疑問を持ったこと―に関心を持つようになり、生殖技術に関する今のご研究に発展したことが語られました。フーコーへの言及など博識をちりばめながらもユーモアを交えたお話で、あっという間の1時間半でした。浅井先生は学生の面倒見も良く、講演会には現役の学生、卒業した学生たちも参加して賑やかな会となりました(写真右)。これも浅井先生の人徳によるものでしょう。秋には故郷に戻られるそうですが、温泉とワインのおいしい土地柄と聞いているので、是非会いに行きたいと思っています。

Written on 3月 31st, 2017

sIMG_3083聴講生の方々との恒例の懇親会がありました。今回は梅田のグランフロント大阪の Aux bacchanales(「古代ローマのバッカス祭」または「乱痴気騒ぎ」の意味もある)というレストランでのランチ。いかにもフランスのブラッスリー風のしゃれた店構えでウェイターさん(garçon)たちはオーダーをフランス語で厨房に伝えていました(トイレもフランスのシャンソンやニュースが流れていました)。食事をしながら、sIMG_3085フランスでの旅の話などいろいろな話で盛り上がりました(写真左は店の前で)。食事の後は有志の人たちと近くの空中庭園に上り(173メートルの高さ)、少し春霞の空の下、大阪の町を一望しました(写真左下)。庭園の一角にはパリのPont des Artsを真似て、sIMG_3087恋人たちがハートの鍵を金網にかける場所(写真右)があり、クリスマスやバレンタインデーの時期は混みあうのではないかと思います。3月も末となりましたが、今年はまだ肌寒く、桜の季節はもう少し後になりそうです。ともあれ、久しぶりに聴講生の皆さんと再会でき、楽しいひと時でした。幹事の南さん、御苦労さまでした。

Written on 3月 28th, 2017

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