村田京子のホームページ – blog

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sIMG_3123連休中に大阪本町のフレンチレストラン「ラ・シム」(La Cime :フランス語でsIMG_3124「頂」という意味)にランチを食べに行ってきました。まずはシャンペン(サンテミリオンのChâteau le Châtelet, 1998年)(写真左)で乾杯。アミューズ・グールは3種で、まずは空豆のお焼きのようなものの上にリコッタチーズと空豆(写真右:下は木の切り株を模したもの)、次が「ニシン蕎麦」というメニューでどのように出てくるのか、と思っていると、蕎麦のガレット(少し京都の焼いた八つ橋の細い筒を半分に割ったようなもの:上にはこしゃくという小さな野草の花がのっています)の上に小さなニシンが乗っていました!(写真左下)。3つ目が「イカ、日向夏とカラスミのアクセント」(写真右下)。sIMG_3126イカの上に細かく切ったカラスミがまぶされ、日向夏のゼリー、パンジーの花と一緒に彩りよくお皿に盛られていて、見た目もsIMG_3125美しいものでした。次に「野草のラヴィオリとタケノコ スープ仕立て」(写真左)。焼いたタケノコはこれ以上無理、と思えるほど薄く切った形で、下に野草の入ったラヴィオリが埋まっていて、スープはイリコの出汁にトマト汁が少し入った日本風の味付け。次が「足赤エビ 緑鮮やかなな春のお豆」(写真右)ということで、足赤エビの頭は殻ごとパリパリ食べ、身の方はグリンsIMG_3128ピースの葉で包まれ、その蔓や豆が入っている、というもの。豆は生で食べられるほど新鮮で、少し茹でているそうsIMG_3127ですがシャキシャキとした歯触りがありました。メインは「舌平目 蕗のつぼみとコールラビ、ヨーグルトソース」(写真左)で、舌平目の上にはアンチョビの泡が乗っています。ヨーグルトソースが絶品で、ヨーグルトにシャルトルーズを加え、ハーブであえたものだそうです。肉料理はシェフの故郷である「奄美大島 島豚 アーティチョークとペコロス」(写真右)。フレンチで豚肉が出るのは珍しいでsIMG_3130すが、一つはロースを背脂で巻いたsIMG_3129もの、もう一つはバラ肉。付け合わせは、油で揚げたアーティチョークとペコロス(小玉ねぎ)。濃厚なソースにぴったりでした。デザートは「シャンパンのジュレとわらび餅」と「ブラッドオレンジのババ 赤いソルベとチュイル」。特にソルベの上に乗っているアーモンドのチュイル(瓦)の組み合わせが面白かったです(写真左)。最後の飲み物はこれもsIMG_3134、奄美のお茶(しょうがの香りのする)、サネン茶を頼み、その茶菓sIMG_3133子(写真下)が本当に美しい!これもシェフお手製のものだそうで、本当に手の込んだ料理で大満足の一日でした。

Written on 5月 3rd, 2017

sシャセリオー東京の西洋美術館にシャセリオー展(ポスター)を見に行ってきました。テオドール・シャセリオーは新古典主義の巨匠ドミニク・アングルにわずか11歳で弟子入りを認められ、16歳で画壇にデビューしたフランスの天才的な画家です。彼は神話やsシャセリオー2聖書など、古典的な主題を描きながらも情熱溢れるロマン主義的な絵画を描くようになり、1846年にアルジェリアを旅して以来、オリエントを題材にした絵画も多く描き、オリエンタリスムの画家ともみなされています。さらに、ギュスターヴ・モローやオディロン・ルドン等の象徴主義の画家や、壁画装飾においてはピュヴィス・ド・シャヴァンヌもシャセリオーから影響を受けた画家とされています。シャセリオーは1856年に37歳で急逝、早すぎる死は残念な限りです。ポスターの《カバリュス嬢の肖像画》は、清楚な衣装を身にまとい、楚々としながらも視線をまっすぐ正面(鑑賞者)に向けている女性の姿には意志の強さが見て取れます。また、神話から題材を取った《アポロンとダフネ》(右図)はアポロンの求婚から逃れるために月桂樹に姿を変えるダフネの、もはや感情を持たないような伏sシャセリオー3せた眼差しが印象的です。あと、オリエントの絵画としては、《コンスタンティーヌのユダヤの娘》(右下図)が印象に残りました。エキゾチックな衣装を着たまだ10代と思えるユダヤ女性ですが、幼さを残しながらも非常に魅力的で、媚びることなく正面をまっすぐ見定める黒い眼に太い黒い眉が印象的です。少し、バルザックの小説にでてくるユダヤの美女エステルを思い出しました。壁画としてはエジプトのマリアの壁画もあって興味深いものでした。

sIMG_3110上京したついでに友人と恵比寿のsIMG_3111ウェステインホテル最上階のフレンチレストラン「ヴィクターズ」でランチを一緒にしました。このレストランは野菜を使った料理に凝っていて、オードブルはsIMG_3114「ウフブルイエのエスプーsIMG_3112マ、季節の野菜添え」(写真左):卵を泡立てたものがソースとなっていて野菜をつけて食べるというもの。見た目もすごく春らしく、きれいでした。次にカリフラワーのポタージュ(写真中央)、メインは「サーモンのスチームと帆立のハーブクリームソース」(写真左下)。デザートが変わっていて「野菜のパフェ」(写真右下)。かぼちゃやレンコンの薄切りを乾燥させたものが上に乗っているバフェで野菜がたっぷり入った濃厚な味のパフェでした(下のお皿もきれい!)。東京でのランチを満喫しました。

Written on 4月 23rd, 2017

sIMG_3093本学の浅井美智子先生が3月末で定年退職となり、その記念講演会が先日、行われました(写真左は講演中の浅井先生)。浅井先生の経歴で面白いのは他の大学で教授として務められていたのが、教授という職階のために大学内での様々な雑務を負わされ、それが厭で府立大学の専任講師のポストに応募された、といういきさつ。いかにも社会的ポストよりも自分の生きたい道を進む、という浅井先生のポリシーがよく現れています。もともと登校拒否で学校に通わず、本を読んで過ごしていたという子ども時代から自分のポリシーを守るというぶれない生き方をされてきたsIMG_3098浅井先生に本当に大きな感銘を受けました。先生のご講演では、こうした自らの人生経験をふまえながら、ルソー研究から女性の生殖の問題―ルソーの『告白』や『新エロイーズ』『エミール』において、女性は命をかけて子どもを産み、育てる存在と規定されていることに疑問を持ったこと―に関心を持つようになり、生殖技術に関する今のご研究に発展したことが語られました。フーコーへの言及など博識をちりばめながらもユーモアを交えたお話で、あっという間の1時間半でした。浅井先生は学生の面倒見も良く、講演会には現役の学生、卒業した学生たちも参加して賑やかな会となりました(写真右)。これも浅井先生の人徳によるものでしょう。秋には故郷に戻られるそうですが、温泉とワインのおいしい土地柄と聞いているので、是非会いに行きたいと思っています。

Written on 3月 31st, 2017

sIMG_3083聴講生の方々との恒例の懇親会がありました。今回は梅田のグランフロント大阪の Aux bacchanales(「古代ローマのバッカス祭」または「乱痴気騒ぎ」の意味もある)というレストランでのランチ。いかにもフランスのブラッスリー風のしゃれた店構えでウェイターさん(garçon)たちはオーダーをフランス語で厨房に伝えていました(トイレもフランスのシャンソンやニュースが流れていました)。食事をしながら、sIMG_3085フランスでの旅の話などいろいろな話で盛り上がりました(写真左は店の前で)。食事の後は有志の人たちと近くの空中庭園に上り(173メートルの高さ)、少し春霞の空の下、大阪の町を一望しました(写真左下)。庭園の一角にはパリのPont des Artsを真似て、sIMG_3087恋人たちがハートの鍵を金網にかける場所(写真右)があり、クリスマスやバレンタインデーの時期は混みあうのではないかと思います。3月も末となりましたが、今年はまだ肌寒く、桜の季節はもう少し後になりそうです。ともあれ、久しぶりに聴講生の皆さんと再会でき、楽しいひと時でした。幹事の南さん、御苦労さまでした。

Written on 3月 28th, 2017

sIMG_3079大学の卒業式(現在は、学位記授与式と言います)があり、出席しました。人間社会学部はすでにないため、留学等で卒業が延びた学生さんのみで少し寂しい気がします。大学院では20名くらいの学生さんたちが修了しました。女子学生は着物や袴姿など、華やかな衣装で皆、輝いていました。修士課程を修了した私の学生、そして今年、定年退職される浅井美智子先生および、浅井先生の卒業学生さんたちと記念撮影(写真)。就職、進学と皆、進路は違いますが、大学で学んだ複眼的な視野を持って社会で活躍してもらいたいと思います。

Written on 3月 25th, 2017

オペラ・ガルニエでは新しい挑戦として文学作品をオペラに仕立て上げて上演する試みがなされ、バルザックの『人間喜劇』に登場するヴォートラン[本名:ジャック・コラン、またの名をトロンプ・ラ・モール(不死身)]を主人公にしたオペラとなっています。ヴォートランは『ゴリオ爺さん』『幻滅』『娼婦盛衰記』に登場する元徒刑囚で、表舞台には出られないため、貴族の美青年を使って社会征服を企てる「悪」を体現する人物ですが、作者バルザック自身の一種の分身でもあります。ヴォートランがリュシアンにかけたセリフ:「私はお前を拾って、お前に命を返してやった。だから被造物が創造者に属するが如く、お前は私の物だ」が有名です。この人物は元犯罪者で後に警察庁の班長となる人物(日本でも時代劇には岡っ引きの手下として働く元犯罪人が出てきますが、「蛇の道は蛇」と言われるごとく、闇の世界に通じている人物が警察の役に立っていたわけです)で、警察をやめた後は世界初の探偵事務所を開いたヴィドックがモデルと言われています。ヴィドックの回想録は当時、ベストセラーとなり、バルザックも面識がありました。ヴィドックはさらにユゴーの『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンおよび彼を追跡するジャベール警視のモデルでもあります。オペラでは『幻滅』の最後に借金のために自殺を考えて彷徨う美青年リュシアンを見かけたヴォートラン(この時はスペインの僧侶に変装してカルロス・エレーラと名乗っている)が彼を馬車で拾う、という場面から始まります。冒頭、大きなスクリーンにヴォートランの顔が映し出され、彼が薬を飲むと顔がみるみる醜く変形し別人に生まれ変わるsvautrin様子がリアルに描かれます。その後、クルチザンヌのエステルとリュシアンの出会い。銀行家のニュシンゲンが森でエステルを見かけて一目ぼれする場面、エステルを探索するスパイのペイラードとヴォートランの戦い、リュシアンに熱を上げるブルジョワの娘クロチルドや身分の高い貴族のセリジー夫人との絡み、最後のリュシアンの自殺やヴォートランの警察への転身など『娼婦盛衰記』の一部が幕間なしで2時間に渡って演じられました(写真はプログラムより:左からリュシアン役の Cyrille Dubois, ヴォートラン役のLaurent Naouri, エステル役のJulie Fuchs)。特にヴォートラン役のLaurent Naouriがその容姿も声もぴったりのはまり役。リュシアンは思っていたのとイメージが少し違っていました。音楽および脚本はLuca Francesconiで、コンテンポラリー音楽の作曲者ということもあり、従来、私たちが聞きなれているモーツァルトやロッシーニ、ビゼーなどロマンティックな曲調の音楽ではなく、むしろシェーンベルクのような不協和音に近いsIMG_3031sIMG_3032音楽で少し戸惑いました。舞台装置は素晴らしく、天井から柱が降りてくる演出など目を見張るものがありました。座席も中央のボックス席の前列で、昔、裕福な貴族やブルジョワたちがボックス席を年間で買い取って社交の場になっていたことを想像すると楽しい思いに駆られます(写真は舞台が始まる前の様子、天井はシャガールの絵)。ただ、時差ぼけがひどくて途中強い眠気に襲われて、眠気と戦いながらのオペラ鑑賞となってしまいました。

sIMG_3061後日、Luca Francesconi 氏(写真)、Sarah Barbedette 演劇部門局長、音楽担当のSusanna Mälkki氏、 演出家のGuy Cassiers 氏、バルザック研究者の Andrea Del Lungo氏によるターブル・ロンドがオペラ座であったので、それにも参加しました。そこでCassiers氏がオペラの意図として4つの層(下から第一の層が人物たち―泥沼にはまり込んで身動きできない。第二の層が流動する音楽、第三の層が舞台のからくり、第四の層が芝居全体を動かす力)の話をされ、それはバルザックの『人間喜劇』の三つの層(結果[風俗研究]、原因[哲学研究]、原理[分析研究])とつながるとDel Lungo氏がつなげたのが非常に興味深かったです。バルザック研究者も多く参加していて久しぶりにイギリス人研究者Owenとも再会できて楽しいひと時でした。

Written on 3月 21st, 2017

バレエオペラ・バスチーユのバレエ「真夏の夜の夢」を見てきました。シェイクスピアの原作をジョルジュ・ヴァランシンがバレエとして演出、舞台装置・衣装をクリスチャン・ラクロワが担当していて、妖精たちの水色やピンク、赤の衣装はそれぞれ軽やかで華やか、本当に夢の世界の雰囲気を醸し出していました(妖精たちの衣装には90万個のスワロスキーのクリスタルが縫い込まれているとか)。舞台も森の奥の幻想的な妖精の国がうまく表現されていました。まず、10代の少女たちの踊りから始まり、本当に可愛らしい踊りでした。その後、妖精の女王Titaniaが登場。妖精の王子Obéronが彼女に求婚しますが女王は相手にしません。さらに二組の恋人たち(赤の衣装を着たカップルと青の衣装を着たカップル)が登場しますが、青のカップルは仲睦まじいのに、赤の男性は青の女性に惹かれて、彼にしがみつく赤の女性をつれなく突き放します。青の女性にしつこく付きまとう赤の男、それを嫌がる青の女性は逃げ回る、赤の女性は赤の男性を追いかける、というように恋人たちの追いかけごっこが始まり、さらにいたずら好きのパックたちが悪さをして恋人たちはパックにかき回される、という状態。さらにパックにロバにされた男にTitaniaがパックの魔sIMG_3062sIMG_3065法で好きになる、という風に話が錯綜していきますが、最後はパックが元に戻して3組のカップルの結婚で終わる、という恋愛劇が描かれています。特にTitania役のEleonora Abbagnato, 赤の衣装の女性Laëtitia Pujolは本当に体がしなやかで軽やかな動きで見惚れてしまいました。妖精の王役のHugo Marchandもダイナミックで高い跳躍で目を惹きました。シェイクスピア劇は本来、欲望が入り混じる世界でもありますが、ヴァランシンのバレエは多少、官能的は場面もありますが、むしろ夢幻の世界を美しく描いています(写真は舞台最後の挨拶の場面)。観客には小さな子どもたちもいましたが、このバレエは子どもたちも十分楽しめるバレエとなっていました。日本人のバレリーナも加わっていて、プリマ目指して頑張ってほしいものです。座席が正面4列目真ん中だったのでバレリーナたちの顔の表情までくっきり見ることができました。

Written on 3月 21st, 2017

Jan_Vermeer_van_Delft_008ルーヴル美術館でフェルメールの特別展があると聞いて朝早くから出かけていきました。フェルメール250px-Vermeer_A_Lady_Writingはフランスでも人気が高く、見るためには予めインターネットで時間を予約しないといけないのですがすでに売り切れ。当日券があるのでは、と思い、開館の9時より15分前に列に並びました(土曜日なので客の出足が遅くなるという見込みが見事に当たりました!)。幸Jan_Vermeer_van_Delft_016い、すぐに入れて9時半の予約が取れ、オーディオフォンを借りてゆっくり見ることができました。フェルメールの≪真珠の首飾りの娘≫(図左)、≪手紙を書く娘≫(図右)、≪地理250px-Jan_Vermeer_-_The_Astronomer学者≫、≪天文学者≫(図左下)、≪レースを編む女≫(図右下)、≪牛乳を注ぐ女≫(図右下)、Vermeer_-_The_Milkmaid≪ヴァージナル[オルガンのような楽器]の前に座る女≫、≪信仰の寓意≫などが展示されていて、若い娘の輝くように白い肌、黄色地に白い毛皮がついた豪華な衣装やきれいな青の衣装を着た裕福な娘たちの無垢な姿が映し出され、さらに彼女たちのお稽古事(リート、ヴァージナル)やレース編み、手紙(おそらく恋人に宛てたもの)に集中している(または、ふと書くのを中断してこちらに顔を向けている)様子が生き生きと描かれています。フェルメール特有の美しい青色も引き立っていました。さらにフェルメールと同時代の風俗画家(メツー、ネッチェル、テルボルフなど)の絵画も展示され、フェルメールと比較することができます。特に面白かったのは男女のきびを描いたもので、ミーリスおよびオクトかきヴェルトの≪牡蠣≫では、二作とも椅子に座っている女性に男が牡蠣を勧めているところが描かれています(図下)。「牡蠣」は媚薬的効果を与えるとしてエロチックな意味があり、人物の後ろにベッドが描かれているのが暗示的です。フェルメール展と同時に併設されていた「ヴァランタン・ブーローニュ カラバッジョの再創造」も見てきました。カラバッジョほど激しい色ではありませんが、ゴリアテとダビデ、ユーデットとホロフェロネスなど神話的な主題が描かれていて興味深かったです。さらにレンブラント展も見てきましたが、ルーヴルはあまりにも多くの作品が展示されていて迷路のようで、自分の見たい絵を探し当てるのにぐるぐる回り、3時間半歩き回るとすっかり疲れてしまいました。もう一つ Corps en mouvement. La danse au muséeも見たかったのですが、結局たどり着くことができず、ギブアップしました。

Written on 3月 21st, 2017

sIMG_3046パリで定宿にしているホテルがロダン美術館のsIMG_3038すぐ近くなので、散歩がてらロダン美術館へ。ここには何度も来ていますが、晩年のロダンが制作に使っていた館(元は貴族の館)で、有名な《考える人》(写真左)の像が観光客をまず出迎えてくれます。また、ロダンのバルザック像も有名ですが、様々なバルザックの頭像やsIMG_3041全身像(写真)がありました。ロダンの作品には苦悶する人物像および、接吻する男女像が多く、sIMG_3044激しい感情がエネルギッシュに描き出されています。ロダンの女弟子のカミーユ・クローデルの頭像もありました。カミーユとの愛憎劇は有名で、カミーユは才能豊かな芸術家でしたが、最後はロダンとの関係に傷ついて精神錯乱に陥ってしまうという悲劇的な人生を歩みます。女性が芸術家として生きていくことの難しさを痛感します。庭には《地獄の門》(写真)や彫像が建っていて、季節のいい時には絶好の散策コースとなっています。

Written on 3月 21st, 2017

sIMG_3051昨年に来日されて京都で一緒にsIMG_3048食事をしたジャンジャンブル先生が昼食に招待してくれました(写真左)。アンヴァリッド手前のエスプラナードに面したDivellecという魚介類専門のお店ですごくシックな店内、料理も非常に洗練されたものでした。前菜は魚のすり身にアボガドのソースがかかったもの(写真右)。メインは白見魚にミニキャベツ、ソースが美味でした(写sIMG_3049真左下)、デザートは苺のソースがかかった木苺sIMG_3050とメレンゲ、アイスクリーム(写真下)。どれも見た目も凝った繊細な味で大満足。このレストランは著名な政治家が集まる店だとか。先生はもうすでにカーン大学を退職されていますが、今でも地元で文学講演会を催されて、毎回100人にのぼる人が講演を聞きにくるそうです。今年のテーマは「家族」でバルザックやサンド、ゾラ、ユイスマンスなど19世紀の作家の作品における家族のテーマ(家族の崩壊)の話をされたそうです。フランスでも文学離れが起こっていますが、とりわけ仕事を引退した年配の人たちの関心は大きいということでした(日本でも同じだと言えます)。奥様は地元の芸術協会の責任者を務め、60人にわたる会員を引き連れてマルモッタン美術館やギュスターヴ・モロー美術館などに引率しているそうです。文学、映画、オペラ、美術についていろいろ話ができ、さらにおいしい料理も味わえて、本当に楽しいひと時でした。

Written on 3月 21st, 2017

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