先日、山陰の足立美術館に行ってきました。アメリカの雑誌で日本庭園ランキング一位に選出された庭園で有名なところで、町中から離れた辺鄙な場所にあります。
苔庭や枯山水、那智の滝を模したという人工の滝が遠くに見える庭、白砂清松庭など、どこから切り取っても額縁の風景画のような美しい光景が広がっていました。ただ、残念なことに、庭に出ることはできず、建物のガラス越しに風景を愛でる仕組みでした。ともあれ、快晴に恵まれ、気持ちの良い一日を過ごすことができました。ちょうど、秋季特別展を開催中で、横山大観の《紅葉》(図)を見ることができました。深紅の紅葉、
群青の流水、白金泥のさざなみ、ところどころ薄い緑がかった水色の対比が鮮やかで、どっしりした木の幹が生命溢れる自然の活力を感じさせます。また、上村松園の美人画《待月》(図)では、月の出を待つ女性の待ち遠しい様子が描かれ、その髪の毛の一本一本が細い筆で描かれているのがよくわかりました。
夜は、境港近くの温泉旅館に泊まりました。ちょうど、水木しげるの「妖怪影絵ライトアップ」が水木しげるロードで行われていました。人気のない歩道沿いに妖怪の像がいくつも立っていて、電灯の光で
影が浮かび上がる仕組みでなかなか面白く、夜の散歩を楽しめました。