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バルバラ信州大学でのシャンソン研究会に参加してきました。今年はフランスのシャンソン歌手、バルバラ(写真)の死後20年ということで、フランスではバルバラの映画やCD発売、回顧展などが盛んに行われています。それにちなんで、高岡先生と中祢先生がバルバラについての発表をされました。バルバラは、幼い頃はユダヤ人としてナチスの迫害を受けてフランス中を逃げ回り、彼女が17歳の時に父親が失踪する、といった辛い人生を歩んできたせいか、黒の衣装が彼女のトレードマークで、彼女には自殺願望が強かったようです。しかし、彼女の作る歌詞は哲学的で、人の心を惹きつける深さを持ち、ヨーロッパだけではなく日本でも非常に人気のある歌手でした。彼女の代表曲、「ナントに雨が降る」は行方不明であった父が危篤状態で彼女に会いたがっている、という電話をナントの病院から受けたことがきっかけで作った曲とのこと。後に出版された彼女の回想録では彼女が11歳の時から数年にわたって父親から性的虐待を受けたことが書かれ、父への激しい非難の言葉が見られるそうです。彼女のもう一つの代表曲「黒い鷲」は真夜中、少女の眠っているそばに突然、黒い鷲が大きな翼を広げて舞い降りてくる、という内容ですが、「黒い鷲」は父親の象徴と言われています。父の行為は幼いバルバラに深い心の傷を残し、父親への恨みや憤りに満ちていると思われるのに、慈しみの気持ちを込めてバルバラがこの歌を歌っているのはなぜなのか。高岡先生はこの疑問から発して、ナントの病院で父親と懇意にしていた人から父が4人の子どもたち、特に彼女を愛していた、ということを聞かされ、父を許したのではないか、という結論にいたったそうです。果たして父を許せるのか、というのは判断が難しいところですが、歌うことが彼女の生きる心の糧であった、というのはよくわかります。久しぶりにバルバラを聞いてみようと思っています。

sIMG_3649研究会の翌日は、信州大学のマイクロバスで、ワイナリー見学に行ってきました。まず、ソムリエの玉村豊男さんの「ヴィラデスト・ワイナリー」では、ちょうどワイン祭りが行われていたので、ワインの試飲(写真左)をしました。何種類か飲んでみましたが、巨峰のスパークリングワインは、ロゼ系で見た目もきれいでおいしかったです。ワインと軽食を取った後、マンズワイン小諸ワイナリーへ。キッコーマンが経営しているワイナリーで「マンズワイン」とか。ガイドツアーがあり、まず葡萄畑へ。この時期はすでに収穫は終わっているsIMG_3655のですが、見学者用にひと畝、実を残してくれていました。シャルドネやメルロー、ソーヴィニョンなどおなじみの品種(写真右:メルローは大きな実で食べてもおいしかった!)の他に、日本の品種も幾つかありました。ピノ・ノワールだけはフランスでしかおいしいワインはできないとか。日本ワインもこのところ、品質が向上してフランスでも賞を取るものもsIMG_3661あり、先日来日したトランプ大統領が乾杯で飲んだワインは白のマンズワインだったとか(ただし、その後はダイエットコークを飲んだそうです)。オーク材の樽(写真)も見せてもらいました。その焼き加減が肉と同じでミディアムとかウェル・ダンとかあるそうです。一樽で300本くらいのワインになるそうで、樽の使用期限は15年くらいとか。ここでもお勧め白ワインの試飲をしました。高地なのでさすがに空気は冷たく、手がかじかみそうになりましたが、ワイン尽くしの一日を満喫しました。

Written on 11月 15th, 2017

sIMG_3637先日、奈良に行ってきました。今年は冷え込みが厳しいsIMG_3639日があったせいか、例年より少し紅葉が早まった気がします(写真は猿沢の池から興福寺の塔sIMG_3640を臨む)。11月に入ってから好天が続き、奈良も観光客で賑わっていました。創作料理で注目を浴びている「つくも」(「白」と書いて百に一つ足りない九十九の意味とか)。JR奈良駅から10分くらいのところにありますが、ひっそりした住宅街の一画にあり、通り過ぎても店だと気づかないsIMG_3642「隠れ家」的な店です。夜は「おまかせ料理」コース、一種類しかありませんが、全部で9品、どれも工夫された凝った料理でした。まず、この時期にある正倉院展にちなんだ「先付け」(写真右上)は、ズワイガニの下に生麩がひいてあり、緑の銀杏が色sIMG_3641取りを添えています(上に載っているのはトンブリ)。次の「お椀」(写真上)は猿沢の池に浮かぶ「おぼろ月」をイメーsIMG_3643ジしたもので、卵豆腐(月)に昆布(ススキ)、その下には蒸し上げたノドグロと松茸が入っています。あっさりした味の上品なお椀でした。次は一見、寿司に見えて、実は鰆のタタキの下のシャリの部分も鰆で、鮪のジュレがかかっているという、凝ったもの(写真右)。赤は庚申大根。白はsIMG_3646辛味大根。野菜は奈良野菜で、マスカルポーネチーズとじゃがいものソース。次の品(写真左上)は米をカネロニで俵のように巻いsIMG_3648たもの(もちもち感がたまりません)。カリフラワーのピューレ、上の白いのは、キヌアとカラスミでプチプチとした食感が楽しい!お皿もそれぞれ凝っていて、これは備前焼。5番目は大台ケ原の紅葉をイメージ(写真左)したもので、味間芋を揚げたもの、大きな椎茸、野菜のゼリー寄せの上に人参などの葉型のチップが載っており、松茸のソースがかかっています。見た目もきれいで食べるのがもったいない感じでした。6番目は信州の新そば(8,5割そば)。7番目はまるしん牛肉のステーキ。ご飯はヤキカマスとレンコンのご飯(写真)に赤だし。デザートは11月にある抹茶の口切りにちなんだ趣向で、薄いクッキー生地の蓋の下につぶあん、焼き菓子、マスカルポーネに松の実、くるみが入っていました(写真右)。従来の懐石料理とは全く違い、洋の要素も入れた献立で初めての体験でした。奈良にも観光客用の食事処だけではない、ゆっくりと食事を楽しむお店が増えてきたのは、喜ばしい限りです。

Written on 11月 8th, 2017

ホテル友人たちと愛知県の蒲郡クラシックホテルに一泊しましたsIMG_3625(パンフレット)。創業が1912年というまさに「クラシック」なホテルで戦後、米軍に接収されたり、たび重なる台風や地震で甚大な被害を受けたり、営業権が様々な会社を経たりしながらも、100年以上にわたってホテル業を続けているのは素晴らしいことだと思います。昭和天皇・皇后も宿泊された名門ホテルで、建物は城郭風建築(写真右)の外観に内部は大正時代を思わせるレトロな太い木柱やアールデコ様式のデザインで、ゆったりとくつろげるホテルにrレストランなっています。海に面した部屋からは竹島を見sIMG_3604下ろすことができ、夕陽が沈むのもじっくり観察できました。フレンチ料理で有名なので、夕食はメインダイニング(写真)でフレンチ料理を頂きました。さすがに三河湾に面しているだけに、新鮮な魚介類が出て、とりわけオードヴルの「白ミル貝の炙り、帆立貝とサーモンムース茸sIMG_3606ゼリーのソース」(写真右)は、見た目もきれいでおいしかったです。同じく「鯛と赤座海老のポワレ 三色ソース」(写真左下)も海老が特に美味でした。「国産牛フィレ肉のカツレツ」は少し量が多くて全部食べきず、デザートの「バニラクリームとチョコレートムースのモンブラン」sIMG_3609(写真右)も半分でちょうど良い感じでした。ただし、味はどちらも文句なしでした。

翌日は眼の前の竹島橋を渡って、竹島へ。ただ、強風が吹いていて(蒲郡はいつでも風が強いそうです!)、吹きさらしの橋sIMG_3621を渡ると、横殴りの風に飛ばされそうになり、足が竦むほどでした(写真左は島から橋を見下ろしたもの。対岸の高いところに建っているのが蒲郡クラシックホテル)。台風などでよく傘が飛んで歩くのも大変な様子がニュースなどで見ますが、暴風雨に翻弄される歩行者と同じ心境になりました。何とか橋を渡りきり、パワースポットである八百富神オレンジパーク社にお参り。夏は潮干狩りもできるそうです。その後、蒲郡駅からさらに北の山裾にある蒲郡オレンジパーク(パンフレット)でみかん狩りをしました。蒲郡はみかんで有名だとか。ただ、一番おいしいのは温室みかんで「箱入り娘」というみかんはすごく甘くておいしいそうです。みかん狩りは時間無制限ですが、さすがにみかんは5つも食べるとお腹が一杯になり、籠に入るだけのみかんを取って、お土産に持って帰りました。春はいちご狩り、夏はメロン狩りやぶどう狩りで賑わうそうです。

Written on 11月 1st, 2017

sIMG_3598名古屋大学での学会の後、名古屋駅のマリオッsIMG_3599トアソシアホテルの最上階52Fにある有名なフレンチレストラン「ミクニ」で友人と夕食を取りました。店の雰囲気もサービスもよく、食事もどれもおいしかったですが、アントレの「タラバ蟹のグレープフルーツのゼリー寄せ 胡瓜とセロリのブリュノワーズ カリフラワーのブルーテ キャビアを添えて」(写真左)は見た目もきれいで、さすがに手の込んだものでした。魚料理は「三重産鰆のポワレ、銀杏、松茸、秋野菜のサフランリゾット添え コキヤージュソース バジリコの香り」(写真右)も同様で、コキヤージュソースというのは蛤のソースだそうです。フレンチだけれども、和のテイストで上手くマッチングしていまsIMG_3600した。鰆は脂がのっていて生臭くなく美味でした。肉料理は「ハンガリー産「食べられる国宝」マンガリッツア豚のロティ カシスのソース 北アカリのピュレと秋トリュフ 彩どり野菜を添えて」(写真)で、マンガリッツア肉はハンガリー本国で「食べられる国宝」と呼ばれるほど貴重で高価な豚肉だそうで、食感は豚肉というよりジビエのようなしっかりした歯ごたえでした。じゃがいものピュレの上にはトリュフが載っているという贅沢なもの。口直しのグラニテの後、ワゴンデザートで、私はフランボワーズケーキなど3種類を頂きました。さすがに満腹で、コーヒーと一緒についてくる小さなマカロンなど小菓子は食べきれず、残念でした。しかし、名古屋の友人と久しぶりにゆっくりおしゃべりができ、楽しいひと時を過ごすことができました。

Written on 11月 1st, 2017

sIMG_3584来日されたマルティーヌ・リード先生を、日本のジョルジュ・sIMG_3587サンド研究者たちで奈良の法隆寺にご案内しました。まず、お昼に法隆寺駅に集合して「うぶすなの郷」へ。富本憲吉の生家を改造して、和風レストランやホテルにしたところで、昼ご飯を頂きました。日本建築の部屋で、素朴な陶器の器に奈良近郊の野菜を使った料理に皆、舌鼓を打ちました。奈良でも近鉄奈良周辺の観光客がごった返しているのとは違い、鄙びた趣きsIMG_3592で、ゆったりした気分になります(写真左は大広間レストランにて;写真右はレストランの入り口にて)。日本最初の世界遺産、法隆寺では五重塔(写真左下)をぐるりと回り、大講堂、食百済観音像堂から大宝蔵院へ。特に目を引いたのが百済観音像(写真右下)で、そのしなやかで中性的な体つきが特徴と言えるでしょう。有名な「玉虫厨子」は、黒ずんでいて玉虫色(フランス語の解説ではcouleur irisée となっていました)ではなく、残念でした!聖徳太子(今は厩皇子と言う)の肖像画もあり、学生時代に習った日本史を思い出しました。夢殿を回ってバスで法隆寺駅まで戻りました。奈良のお寺は京都と違って、だだっ広くて、歩くのに少し疲れますが、奈良時代の大らかで素朴な雰囲気が味わえます。リード先生も時差ぼけの中でのシンポジウムでの発表で、大変だったと思いますが、奈良でリフレッシュしたと言っておられ、一同、ほっとしました。

Written on 10月 1st, 2017

国際バルザックシンポジウムの懇親会は、フレンチレストラン「びすとろぽたじぇ」で行いました。予め、肥田シェフ(写真は料理sIMG_3562の説明をするシェフ)、辻調理師学校の山内先生と打

     ポ=ト=フ

ポ=ト=フ

ち合わせをして、バルザックにちなんだ食事ということで、Courtineの著書Balzac à tableを参考にしながら、メニューを考えてもらいました。19世紀では一般的であった、フランス式サーヴィス(第1サーヴィス:ポタージュ、ルルヴェ、アントレ、第2サーヴィス:ロ(焼肉)とアントルメ、第3サーヴィス:デザート)にならったもの(ちなみに、現在の各人に一皿ずつ時系列に供されるコース料理はロシア式サーヴィスとなり、19世紀末にやっと主流となります)。

①ポタージュ2品(写真右):

ポタージュ・サン=ジェルマン

ポタージュ・サン=ジェルマン

オードブル

オードブル

ポ=ト=フとポタージュ・サン=ジェルマン。ポ=ト=フは「フランス風おでん」ですが、ブイヨンがこくがあって非常においしかったです。ポタージュ・サン=ジェルマンはグリンピースを使ったポタージュ。②オードブル3品:中央の四角い形のものが、ガランティーヌ・ド・ヴォライユ、丸いのがパテ・ド・ラパン、手前と奥がパンにリエット。リエットは『谷間の百合』の主人公フェリックスが幼い頃を回想する場面で、寄宿学校で他の生徒たちは親からの差し入れのトゥーレーヌ地方特産リエットをパンにつけておいしそうに食べているのを、何の差し入れもないフェリック

ソール・ノルマンド

ソール・ノルマンド

スが羨ましそうに見る、というくだりに出てきて、非常に印象的です。パテ・ド・ラパンは、本来は「うさぎ」でもリエーヴル(野兎)の方ですが、日本では手に入らないとか。③

ロティ・ド・ジゴ・ダニョー

ロティ・ド・ジゴ・ダニョー

ルルヴェ(魚):ソール・ノルマンド(ソールはシタビラメで、ムール貝、本来はザリガニのところ、海老が入っています)。④ロティ:ロティ・ド・ジゴ・ダニョーとプーレ・マランゴ。写真は仔羊の腿肉をsIMG_3566ローストしたものを切り分けているところ。その薄く切った一切れを白隠元を付け合わせにして頂きました。プーレ・マランゴはナポレオンがマランゴの戦いの折、戦場で鶏肉とあり合わせのもので作

プーレ・マランゴ

プーレ・マランゴ

らせたというもの。プライス先生も、フランスで噂には聞いていたが、初めて食べた、と感激しておられました(写真はリード先生、プライス先生、松村先生、博多先生と)。⑤デザート:タルト・オ・ポム、⑥カフェ:写真は山内先生。バルザックは夜中にコーヒーをがぶ飲みし

ながら一瀉千里に筆を走らせたということで有名で、そのバルザックが飲んだとされる豆の割合に似せて、山

タルト・オ・ポム

タルト・オ・ポム

内先生が焙煎、コーヒーフィルターで丁寧に一杯ずつ、入れてくれました。使われた豆の一部、モカ・マタリは、紛争地帯イエメンのもので、今後、入ってくるかわから

コーヒーを淹れる山内先生

コーヒーを淹れる山内先生

ないという、貴重なコーヒー豆ということです!フランスでエスプレッソが飲まれるようになったのは、戦後でしかない、といったコーヒーに関

する蘊蓄を伺いながら、コーヒーを味わいましたが、非常にこくのあるおいしいコーヒーでした。ワインは柏木先生が、バルザックの生地ロワール地方で取れたロッシュ・ド・リュヌ・ソーヴィニョンやシャルドネなど赤・白のワインを5種類用意してくれ、バルザック三昧の一日でした(バルザックの食卓(メニュー)、およびワインリスト参照のこと)。

 

Written on 10月 1st, 2017

skatura公開講座の聴講生の方たちとの恒例の懇親会がありました。sIMG_3445ちょうど、台風18号が通過した後の、秋晴れの一日で、気持ち良い風が吹いていました。今回は大阪丸ビルにある日本料理店「桂」でランチ。店の奥に30人くらい入る結構大きな座敷があり、ゆったり過ごせました。料理もなかなかおいしく、松茸や秋刀魚など、秋の品が盛りだくさんで、見た目も華やかなメニューでした(写真はお店のHPから)。牛ロースのミニステーキは、熱い黒石の上に乗っていて、ゴマだれにつけると、あっさりとした味になり、品数が多くてもお腹に負担にならないのが何よりです。皆さん、70歳、80歳になってもお元気で勉強、仕事、習い事やボランティアなどに積極的に従事されていて、そのエネルギーに圧倒されました。すぐ、くたびれてしまいがちな私ですが、皆さんのエネルギーをもらって頑張ろうと思った一日でした(写真右:最後に皆で記念撮影)。皆さん、笑顔が素敵です! 幹事の斎藤さん、ご苦労様でした。

Written on 9月 19th, 2017

sIMG_3430昨年度退職した同僚の女性教員、さらには退職間近な女sIMG_3431性教員同士の懇親会、ということで京都の老舗「室町和久傳」に食事に行ってきました。町屋を改造した店で、下がカウンター、2階が個室になっていて、私たちが通されたのは中庭に面した個室でいかにも京都らしい雰囲気でした。まずは、朱の盃に「菊の花びら」を各自とって器に入れ、そこに日本酒を注いでくれました。料理は一品一品は量が少なめですが、何種類も出てきて満腹になるというもの。京都らしいあっさりした薄味で丁寧にsIMG_3432調理した品々に一同、感激しました。最初が車エビとsIMG_3434冬瓜、オクラに、お酢のジュレがかかったもの(写真左)。次はカニしんじょう(写真左下)。お造りは甘鯛(京都では「ぐじ」と呼ぶ)。かつおのたたきsIMG_3435(写真右)が絶品で、全く臭みもなく、その柔らかい歯ごたえは今まで味わったことのないものでした。次がハモの上にウニsIMG_3437をのせて焼いたもの(写真上)。ハモは夏sIMG_3439の名残りで、今年最後でしょうか。次は松茸としめじの土瓶蒸し風(写真右)の器の上にぐじをあられでまぶして揚げたものが載っていました。松茸は今秋初めて食べましたが、歯ごたえも香りも良くて、秋の到来を実感しました。次が無花果のピーナツソース和え。そして鮎を丸ごと揚げたもの(写真左)。骨も別に揚げていますが、どれもカリッと揚がっていて、頭から尾まで全部食べれsIMG_3441ました。銀杏も秋の風物詩と言えるでしょう。最後は白ごはんと赤だし、果物とデザートのまんじゅうとお薄も上品な味でした。4人で記念撮影(写真)しましたが、食事中、仕事の話や退職後、どう生きるかなど、様々な話題で盛り上がりました。今後も交流を続けていきたいと思います。

Written on 9月 16th, 2017

sIMG_3418恒例の「浪漫」へランチを取りに行ってきました。ちょうどお盆sIMG_3419の頃が桃がおいしい時期だそうで、まずは、桃のスープ(写真左:トリで出汁をとったスープ)。生クリームが入っていないのにすごく滑らかな舌触りで桃の甘さがほのかにする上品なスープでした。次に鱧寿司(写真右)。活きた鱧を使うそうで、皮を丁寧にはいでさっと火で炙るだけとか。骨切りもいつものように完璧で、ふわっと柔らかい感触(鱧は後ででてきた茶碗蒸sIMG_3420しにも細かく刻んだのが出てきました)。次は冬瓜の煮物(写真左下)。冬瓜は、スーパーなどで見る青いのではなく、茶色の大sIMG_3421きなものだそうで、じっくり煮込むと味がよくしみるそうです。八寸は8月は精進料理(写真右下)ということで、鰊、なす、ぜんまいの煮物、枝豆スープ、トウモロコシとさつまいもの天ぷら、花豆(菩薩豆とも呼ばれるとか)、赤ズイキ、満願寺唐辛子。どれも丁寧な調理(枝豆は豆の皮をむいてすり鉢でつぶしたり、干し鰊は何日も水sIMG_3422につけて戻すとか)で、店の大将の心意気が窺えるものでした。次に手打ちの更科そば(写真左)。更科そばは、そばの実のより内部にある、胚乳の中心部の粉を使った蕎麦の名称で、品のsIMG_3423ある白い麺で昔は高貴な人しか食べれなかった(「御膳そば」とも呼ばれる)そうです。生地が非常に薄いので伸ばすのが大変とか。ソバの香りはほとんどしませんが、非常に上品な味でした。茶碗蒸し(写真右)は鱧を切ったもsIMG_3424のと、鱧のスープを卵の上からかける、というもので通常の茶碗蒸しのイメージとは違っていました。ご飯はそば米の冷汁風(写真左)で、鮎を小さく切ったものときゅうりのカミナリ干しが入っていて、こりこりとした歯ごたえが魅力(上には細かく削った氷と花山椒が載っています)。デザートはてん茶と葛もち(sIMG_3425写真右)。出来立てなので市販の葛もちのように葛が丸く固まっておらず、流れる形になっています。あんの小豆は皮をとって丸めるそうで、本当に手間のかかる作業だと思います。どれも素朴な料理ですが、心がほっこり温まる食事で、暑い夏を忘れさせるひと時でした。

Written on 8月 18th, 2017

バベルの塔ポスター先日、大阪中之島の国立国際美術館に「バベルの塔」展を聖カタリナ見に行ってきました(ポスター)。16世紀ネーデルランド絵画の巨匠ピーテル・ブリューゲル1世の《バベルの塔》が24年ぶりに来日、ということでさっそく出かけて行った次第です。会場に入るとまず、ボイマンス美術館所蔵の15世紀の聖人像や15~16世紀初めにかけてのネーデルランドの聖人画や版画が展示されていました。聖人画としては、《聖カタリナ》(右図)の枝葉の刺繍の入った衣装がものすこぐ精密で驚きました。また、ヒエロニムス・ボスの2点の絵画《聖クリストフォロス》(左下図)と《放浪者(行商人)》も来ていました。《聖クリストフォロス》は、先日「ベルギー 奇想の系譜」展におけるマンデインの絵と良く似ていますが、ボスのは幼いイエス・キリストを背におぶったクリストフォロスが中央に描かれていて、キリストが異常に小さく描かれている以外は、一見、現実世界のように見えます。しかし、目を凝らして見ると、木にかかった花瓶には小人の顔が見聖クリストファロスえ、花瓶の壊れた部分に梯子がかけられて小人たちの家となっています。後景の川沿いには熊を吊るす男、向こう岸の家にはモンスターが顔を見せている、という奇想の絵画となっています。そした、やはり圧巻は《バベルの塔》で、肉眼ではほとんど見えませんが、3ミリ程度の人物が無数に描かれ(1400人いるとか)、漆喰を上げ下げしている様子(漆喰がかかって真っ白になった人物)や、レンガの赤い色(下には落ちたレンガのかけらが散らばっている)や、一番上には起重機が見えます。さらにそれぞれの階の窓の作りが違っていて、何世紀もかけて建築しているのがわかる仕組みとなっています。右下には港に集まる船、左下には農場が拡がり、地平線まで見渡す風景にそびえたつ巨塔、という大きなスケールの絵画となっていますが、実際の絵はそれほど大きくなく(もう一枚の絵の方が大きい)、双眼鏡を持ってこなかったことを残念に思いました(用意のいい人は双眼鏡でじっくり眺めていました)。ずっと目を凝らして見ていたので、少し目が疲れてしまいました。

ランチは近くのイタリアレストランQuintoCantoで取りました。おsIMG_3409昼は一つのコースのみでしたが、非常に凝った料理が懐石のように一品は少しの量ですが品数の多いメニューとなってsIMG_3407いました。まず「竹炭のビニエ フォアグラとレモンのマルメッラータ」(写真左)。ビニエは「小さなシュー」のことで、シューの中にフォアグラとレモンのマーマレードを和えたものが詰められていて、1個、つまみました。オードヴルは「鴨のテリーヌとアメリカンチェリー」(写真右:下に見えるピンク色のものは「アルケルメスのヌーボラ」、上に焦がしチュイール、緑のオゼイユが載っsIMG_3410ています)「エイのムニエルとブロッコリーのインサラータ」sIMG_3412(写真左)は、ムニエルの上にムール貝とグリーンオリーヴのタルタル、あさりのブロードのブールブラウンソースがかかっています。「トリアンゴリ イワシとフィノキエットのリピエノ」は、三角形のパスタの中にイワシとウイキョウが詰められたもの。ソースはグレープフルーツとサフラン。「海老とリードヴァ ゴルゴンゾーラ」(写真右)は大きめの金属のスプーンに海老のジェラート、リードヴォ、ゴルゴンゾーsIMG_3414ラチーズが載っていて、一口で食べると下に敷いているアーモンドのサクサク感が何とも言えないおいしさでsIMG_3416した。「ストリケッティ 鳥取和牛のラグ―ソースカラブリア風」は、ラザニアに少し似た味でした。メインは「仔羊のストゥファート カルチョーフィとメントゥッチャ」(写真左)。仔羊肉を水なしで一昼夜ズッキーニ、メントッゥチャと一緒に煮込んだもので、ペコリーノチーズの泡が載っています。柔らかくておいしい肉でしたが、少し羊独特の匂いが気になりました。パスタはトマトソースの「サルサ ポモドーロ」、デザート(写真右)はシチリアの揚げ菓子にピスタッチオのジェラート。どれも非常に凝った、洗練された料理でお皿も素晴らしく(一部、タイルを使ったお皿もありました)、サービスも行き届いていました。

 

 

 

Written on 8月 2nd, 2017

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