村田京子のホームページ – バルザック国際シンポジウム
バルザック国際シンポジウム
Colloque international en ligne
« Balzac en collaboration »
開催日: 2021年6月9日(水)~10日(木)
場所 オンライン会議
コーディネーター Jacques-David Ebguy (Université de Paris), Bernard Gendrel (Université Paris-Est Créteil) et Takayuki Kamada (Université de Shinshu)
《案内》昨年開催予定だったバルザック国際シンポジウム(日本バルザック研究会、le Groupe d’Études Balzaciennes, le Groupe International de Recherches Balzaciennes 主催)« Balzac en collaboration » が今年に延期になり、6月9日、10日に開催されることになりました。本来ならば、パリでの開催予定でしたが、コロナ禍で渡仏が不可能ということもあり、オンライン開催になりました。今回のシンポジウムのテーマは、バルザックの作品や思想形成に影響を与えた人物や、バルザックに関わった編集者や出版者、バルザックの作品に挿入された詩や楽譜を提供した者など、何らかの形で彼の創作活動に寄与した「協力者」、その協力関係を明らかにしようとするものです。村田は、« Comment Delacroix a “collaboré” à la création de Balzac »というタイトルで、ドラクロワとバルザックの関係(二人の交流関係、ドラクロワの絵画や彼の絵画論がバルザックの作品に及ぼした影響など)を明らかにしたいと思っています(programme)。

《報告》6月9日、10日と2日間にわたるシンポジウムは、約40名の参加者のもと、無事に終わりました。第一セッションはフランス時間10時30分に始まりましたが、時差の関係で日本では17時半、さらにアメリカでは夜中の3時半というとんでもない時間の開始となりました。村田は1番手の発表でしたが、皆さん熱心に聞いて下さり、「説得力のある発表」と評価してもらいました。第一セッション(3人が発表)はテクストとイメージのコラボレーションということで絵画やリトグラフ、カリカチュアなどさまざまな図版を使っての発表でした。第一セッションの後のポーズはフランスでは昼食タイム、日本では夕食タイムで、13時30分(日本時間20時30分)から第二、第三セッション(それぞれ2人ずつ発表)ではバルザックを含め作家たちのコラボレーションによる小説集の刊行についての発表や、ロマン主義とバルザックとの関わり、さらに新聞書評における作家間のコラボレーションについての発表などが日本時間で深夜12時頃まで行われました。翌日も同じ時間帯で行われ、第一セッションでは演劇との関わり、さらにバルザックの小説に載っている楽譜やバルザックと作曲家との関係についての発表がありました。音楽に関しては楽譜を実際に演奏した曲など音楽を流してくれ、当時の雰囲気が味わえて楽しいひと時でした。後半のセッションではバルザックの未完作の続きを書いた作家や、一部の原稿が焼失したために穴埋めをした二人の協力者について、および彼らのテクストの検証が行われました。さらに、ドストエフスキーがバルザックの小説をロシア語訳したテクストの検証など、様々な観点からの発表がありました。どの発表も示唆に富み、活発な質疑応答がなされ、有意義なシンポジウムとなりました。オンライン会議のため、食事会など懇親の場がなく、夜中までの会議はかなり疲れましたが、逆に通常では簡単に集まれない方々が気楽に参加して下さり、その意味でも国際的な会議になったと思います(シンポジウムでの発表原稿は、L’Année balzacienne 2022に掲載予定)。

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