村田京子のホームページ – 「名作の中のフランス料理」の会

simg_279212月3日(土)に、津市のビストロ「ラ・フルール」でバルザックに因む料理(Robert simg_2784Courtineの著書Balzac à la table(『バルザックの食卓』)に記載のレシピに基づいた料理)とワインを楽しむ会があり、参加してきました(写真左はクルティーヌの本を持つシェフの竹谷さん)。津駅近くのお店(写真右)で、パリの下町のビストロ、という風情(店の中も)でした。主催は三重日仏協会で、阪大名誉教授でバルザック研究の重鎮、柏木隆雄先生(写真左下)のレストランの歴史に関するお話があった後、まず的矢牡蠣(写真右下)が出てきて、皆、その新鮮な味に感嘆の声が出ました。さすが、三重県が誇るsimg_2786牡蠣だけありました。オードブルはムール貝のムクラド(mouclade)とひき肉を網脂で包んだクレピネット(crépinette)(写真)、さらにバルザックの故郷トゥールの名物のポークリエット (riette de porc)をつけて腸詰のブーダン・simg_2789simg_2790ラン(boudin blanc)を頂きました(写真)。魚料理は「鰻のグリエ ゴランフロ風」(anguille à la gorenflot)(simg_2793写真下)。フランスsimg_2791料理で出てくる鰻は開かないのでそのままゴロンと丸太のような形で出てきて脂っぽくて日本人の口に合いませんが、今回出てきた料理は白焼きの鰻のようで、トマトベースのソースをかけて食べるとあっさりとした食感で美味でした!「ゴロンフロ」というのはsimg_2800アレクサンドル・デュマの小説simg_0060に出てくる人物名だそうです。肉調理はバルザックの『従兄ポンス』に出てくる下宿屋のシボ夫人が作ってくれた牛のほほ肉を使った煮込み料理「ミトロン」 (mitron)。アラン・デュカスのレシピに基づいたものと2種類出してくれましたが、前者の方が肉がとろける様に柔らかくておいしかったです。さらに、お店のサービスとして鶉をローストしたものにグラタン・ソース(ゴディボーというグラタンで、レバーに卵黄を混ぜた黒いものが1800年当時、グラタンと呼ばれていたそうです)(写真上)。デザートは食通のブリヤ=サヴァランに因んでつけられたサヴァラン(savarin)(写真上)で、デザートワインを合わせて頂きました。柏木先生ご持参の赤ワイン、ポイヤックなど、ワインも料理にマッチして、帰りはほろ酔い加減で電車に乗り込みました。1999年のバルザック生誕二百周年の時に、フランスのトゥールでやはりgastronomie balzacienneと銘打って、食通の町で有名なトゥールの一流レストランで、バルザックに因んだ料理を出す催しが数カ月にわたってありました。ちょうど国際学会でトゥールに行っていたので、そのうちの一つに参加して料理を堪能しましたが、今回の「ラ・フルール」の料理もその時に劣らない料理の質でした。参加メンバーの方々も仏文関係以外にお医者さんやプロのピアニスト、新聞記者の方などヴァラエティに富み、いろいろなお話ができました。また、次の機会もあれば是非参加したいと思っています。

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