村田京子のホームページ – 第3回 「文学とジェンダー フランス文学における『宿命の女』像」(コーディネーター 村田京子)
女性学コロキウム(大阪府立大学女性学研究センター主催)
第3回 「文学とジェンダー フランス文学における『宿命の女』像」(コーディネーター 村田京子)
開催日: 2010年12月11日(土)午後1時30分~午後5時
場所 大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
《案内》
 1時30分~2時30分
  村田京子:バルザックの作品における「宿命の女」像の変遷―『砂漠の情熱』から『従妹ベット』まで
 2時40分~3時40分
  吉田典子(神戸大学教授):ゾラの『ナナ』を読む―近代ブルジョワ社会における「宿命の女」
 4時~5時:自由討論
《開催報告》今回の女性学コロキウム「文学とジェンダー」は、フランス文学における「宿命の女」像をテーマに開催いたしました。「優雅な女体に獣性を隠し、男の心を捉えてついには破滅に追いやる魔女タイプの美の化身」(松浦暢『宿命の女 愛と美のイメジャリー』)と定義される「宿命の女」はヨーロッパにおいて古来、神話や伝説、文学に登場してきました。とりわけ19世紀前半のロマン主義文学から後半の自然主義文学にかけて「宿命の女」が詩、小説、絵画において何度も取り上げられています。それゆえ、まず村田が19世紀前半の作家、バルザックを取り上げ、その初期の作品である『砂漠の情熱』から晩年の傑作『従妹ベット』にいたる「宿命の女」像の変遷を辿りました。次に、吉田典子神戸大学教授が、自然主義作家を代表するゾラの『ナナ』を取り上げ、資本主義が発展し〈性〉の商品化が進んだ19世紀後半の近代ブルジョワ社会における階級とジェンダーの観点から「宿命の女」像を検証しました。
「宿命の女」のテーマはこれまで、男性作家が好んで取り上げてきたテーマで、男性の視点から論じられることがしばしばでありましたが、今回はジェンダーの視点からこのテーマを考察することで、新たな展望を見いだせたのではないかと思います(参加者40名)。(村田の講演原稿は『女性学研究』18号に掲載しています。)

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