村田京子のホームページ – 幻想文学について

バルザックの作品に現れる「悪魔との契約」のテーマを取り上げ、もはや「悪魔」という超自然的な存在が信じられなくなった近代社会において、悪魔的存在がどのような形で捉えられているかを探る。1820年~30年代に流行した暗黒小説(ロマン・ノワール)や幻想文学の範疇に属する初期小説『百歳の人』から『あら皮』『和解したメルモス』にいたる「幻想空間」に登場する悪魔的存在を検証した後に、『ゴリオ爺さん』『幻滅』『娼婦盛衰記』に登場する悪魔的人物ヴォートランや、さらに商業小説『セザール・ビロトー』や『従妹ベット』で「悪魔」に喩えられる人物が、「現実空間」の中でどのような理由で「悪魔的」だと認識されたのか、当時の社会的背景を考慮に入れながら分析する。また、バルザックの幻想小説とモーパッサンの幻想小説の共通点および相違点を探る。

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