村田京子のホームページ – 弘前ねぷた祭と青森ねぶた祭

弘前ねぷた先日、弘前ねぷた祭と青森ねぶた祭を見に行ってきました。どちらの祭も暑さの厳しい農作業の忙しい夏に襲ってくる「眠気=ねぶたい」を払うためのもので、弘前の方は「ねぷた」、青森は「ねぶた」と濁って発音するとのこと。弘前ねぷた祭(左ポスター)は、主に扇形のねぷたで、表は三国志や水滸伝などを題材にした勇ましく色鮮やかな武者絵が描かれ、裏は女性の絵(中国風美人画)に、竜などが描かれています。ねぷた行列は、町名や団体を記した提灯を掲げる先触れの後、扇や角燈篭、弘前1金魚ねぷたを持った主に子どもたちが続き、ねぶた本体につないだ綱を引く「曳き手」、そしてねぶた(上に人が乗っている)が続き、後ろに太鼓や笛の囃子が続く、という金魚ねぷたもの。「ヤーヤードー」という掛け声とともに市内を練り歩く祭りとなっています。扇形の他に、組ねぷたと(右写真:今年の組ねぷた大賞を受賞!)いうのもあって、なかなか迫力がありました。子ども会の参加が多く、子どもたちの持つ金魚ねぷた(中央上写真:津軽のお殿様が飼育していた金魚「津軽錦」を模したもの)はとても可愛らしいものでした! 弘前のねぷたは町単位で出すのが特徴だそうで、地域に根差したお祭と言えます。

青森ねぶた青森のねぶた祭(ポスター)の方は、さらに規模が大きく、全国各地から大勢の見物客が押し寄せてきます。弘前と同様に、有料観覧席(パイプ椅子)が設けられていますが、ハネトそれとは別にロイヤル席があって、それは1区画100万円(8人席)ですが、全区画、すぐに完売したそうです! こちらのねぶたは弘前よりさらに巨大で、制作費用だけで500万円はするとか。青森ねぶた祭では、ねぶたの前に跳人(ハネト)がハネトの衣装を着て「ラッセラー ラッセラー」という掛け声のもと、飛び跳ねて踊るので有名です。鈴が足にクラブツーリズム一杯ついていて、鈴の音が太鼓や笛のお囃子と一緒に聞こえ、祭りを盛り立ててくれます。衣装も編笠(右写真)がすごく華やかで、見ているだけで心が弾みます。特に、行列の人が観客席にも声掛けするよう促すと、皆、総立ちで「ラッセラー ラッセラー」と声を出し、それに合わせてハネトさんたちがぴょんぴょん跳ねて大盛り上がりでした! ねぶたは、台車を含めると幅9m、奥行き7m、高さ5mもあり、重さは4トンとのこと。それを押していくのですから、大変な労力です。太鼓を叩く人たちも、男女合わせて4,5人いて力を込めて叩いているので、どれも重労働のようです。ねぶた師が毎年、題材を選んで下絵を描き、骨組み・電気配線の後、紙はり、書割にろう書き、色付け、台上げと、これも大変な作業です(左上写真:北村麻子さんという女性のねぶた師の「鬼子母神」が今年度のねぶた大賞を取りました!)。そうした作業の結果として、電飾によって夜空に美しく映えるねぶたが登場していると考えると、感無量です。東北の人たちのパワーが感じられました!

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