村田京子のホームページ – 「モディリアーニ展」

IMG_0001中之島公会堂での文化講座の帰りに、大阪中之島美術館(今年開館した新しい美術館で、国際美術館の向かいに建っています)まで、淀屋橋から土佐堀川沿いを15分ほど歩いて行きました。前日からの雨は昼にIMG_0002はすっかり止んでまぶしいほどの日差しでもう夏だと実感しました。今回は開館記念特別展ということで、国内外のモディリアーニの作品を集めた展覧会(ポスター)で、彼の生きたベル・エポック時代のパリや彼の特徴的な肖像画(右写真)――細長い顔にアーモンド形の眼、しかも瞳が書き込まれていない眼、長すぎるほどの首――の数々をじっくり見てきました。意外だったのは彼の原点は彫刻であったこと、カリアティード(ギリシア建築で頭上のエンタブラチュアを支える柱の役目を果たす女性の立像)を描いた絵(左図)は、彫刻家ならではのものでしょう。それとピカソも大きな影響を受けたアフリカのマスク(モディリアーニの場合はとりわけ細長い顔のマスク)の影響も受けて、細長い顔に細い眼という彼独自の女性像が生まれたようです。彼は、パリのモンパルナスに集まったエコール・ド・ピエロに扮した自画像パリの一員としてピカソカリアティードや藤田嗣治とも親しく、ピカソのピエロシリーズに似た《ピエロに扮した自画像》(右絵)も描いています。その他にシャガール、マリー=ローランサンなどパリには才能ある画家たちが一堂に会していたわけで、「すごい!」の一言! モディリアーニの描く女性は喜怒哀楽の表情ははっきりとは見られませんが、何かしら寂しげでメランコリックな雰囲気を漂わせています。極貧のうちに35歳で結核で亡くなったモディリアーニ自身の心境が投影されているのかもしれません(モディリアーニの妻ジャンヌも彼の死後、投身自殺します)。本展覧会には女優のグレタ・ガルボが所有していた《少女の肖像》も本邦初公開で展示されていました。

売店で私の大好きなフランスの紅茶マリアージュ・フレールのフレーバーティー「マルコポーロ」(写真:限定デザイン装丁)が出ていたので、つい買ってしまいました。「ママルコポーロIMG_0003ルコポーロ」を飲みながら彼の生きた時代に思いを馳せたいと思います。コロナ禍やウクライナでの戦争が終結した暁には、フランスに行って、マレー地区にあるマリアージュ・フレールの本店に紅茶を買いに行きたいものです。

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