村田京子のホームページ – ポンペイ展

先日、京セラ美術館に「ポンペイ展」を見に行ってきました。その前に高台寺ひらまつレストランで昼食を取ることに。連休中は京都もかなり賑わい、清水寺周辺は大変な人出だったそうです。連休が終わってから京都に行ったので、観光客はそれほどいなくて、修学旅行生がs-IMG_5069s-IMG_5070あちこちに見られるのが目立ったほどでした。2年坂から北の急坂を上がった所の建物の4階がレストランなので、八坂神社の塔が見える非常に見晴らしのいい場所となっています。料理はまず、カシューナッツのカラメリゼが出た後、前菜は「赤ピーマンのムース、フレッシュトマトのクーリー」(左写真)。赤ピーマンのムースがなめらかでとろけるような味。トマトをペースト状になる前に煮詰めたソースも濃厚でした。メインは「島根産天然的鯛のポワs-IMG_5071レとムール貝のマリニエール風」(右写真)。的鯛だけではなく、特にムール貝が小粒ながらおいしかったのと、アスパラガスの他にも春キャベツのエチュベ(蒸し煮)が春らしさを演出し、コキヤージュ(貝類)のムースリーヌ(泡立てた生クリームを加えたソース)がいい味を出していs-IMG_5072ました。次に出てきたのは「牛頬肉のエストゥファード(蒸し煮)、プチポワのピューレ」(左写真)。濃いソースでじっくり煮込んだ牛頬肉は柔らかく、周りに並べたフランス産のプチポワ(グリンピース)と空豆の緑が映えて見た目にもおいしそうでした。デザートは「京の雫 苺のヴァシュラン、ベルベーヌ香るアイスクリーム」(右写真)。ヴァシュランとはアイスクリームなどを詰めたメレンゲケーキのことで、容器型のメレンゲの中に苺がのったアイスクリームが入っていました。さらに、苺のソースをかけて食べるというもの。丸くて白いものは砂糖とのこと。非常に繊細で、見た目よりもあっさりして口に入れるとふわっと溶ける感じでした。2時間ゆっくり時間をかけて料理を頂き、京都の風景を満喫しました。

レストランから美術館までは、丸山公園の裏を通って徒歩で30分足らずなので、腹ごなしにはぴったりのコースでした。ポンペイは起源後79年にヴェスヴィオ山の噴火によって一瞬のうちに灰に埋まったイタリアの町で、18世紀に発掘が始まり、今でも発掘が続いているというポスター大きな遺跡です。美しいガラスの器や青銅の壺、s-IMG_5090宝石をちりばめた装身具の他にもパンやイチジク、干しブドウなど食べ物がそのまま炭化した状態で残っているのには驚きました。また、アポロン像は美しく、動物の彫像(右写真)は今にも動き出しそうな躍動感に溢れるものでした。特に、精巧なモザイクが印象に残りましたが、その中でも「メメント・モリ」(左写真)は、左に金持ちの贅沢な衣装、右には貧しい人の衣装がかけられ、真ん中に骸骨が鎮座していて富者にも貧者にも等しく「死」が訪れる、ということを表しています。しかし骸骨は少し猿にも似ていて滑稽で、パンフレットによれば「死と隣合わせ、だから今を楽しもう。古代ローマの人ヘタイラ生観を示す」ものだとか。また、ヘタイラ(高級遊女)の部屋を描いたモザイク(右写真)では、ヘタイラが男性にお酒をふるまっている場面が描かれています。ヘタイラは古代ギリシア時代からいた高級遊女で、高い教養の持ち主でプラトンなど哲学者の相手をしたと言われています。また、犬のモザイク(写真)は、家の玄関に敷かれた床モザイクで、「猛犬注意」という意味だそうで、ユーモラスに満ちています。家の模型もありましたメメントモリ1が、広大な屋敷で寝室が何部屋もあって、当時の市民の裕福さが窺えました(ただし、s-IMG_5085多くの奴隷を抱えていたわけですが)。実際にポンペイ遺跡を訪れてみたいものです。

久しぶりに京都の一日をたっぷり味わうことができました。

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