村田京子のホームページ – シャンソン研究会と浅間温泉

信州大学で開催されたシャンソン研究会に行ってきました。12月の松本は少し底冷えがしましたが、お天気は快晴。昼頃に松本駅に着いたので、駅から10分くらい歩いて人気のそば屋さん(よし田)へ。さすが、人気だけあって、長蛇の列でしたが、何とか20分くらいで店に入れました。私は天ぷらそばを頼みましたが、そばは喉越しが良く、おつゆもあっさりして、そこに海老天ぷらなどを入れて食べるというもの。冷えた体もすっかり温まりました。シャンソン研究会、今回は恒例の高岡先生の発表から始まりました。発表は「移民の子としてのサルヴァトール・アダモ」というタイトルで、幼い時にイタリアからベルギーに移り、「移民」として生きてきたアダモが、ベルギー在住70年たってもイタリア国籍であった(ベルギーでは名誉市民など、数々の栄誉を与えられていたにも関わらず)のが、最近、ベルギー国籍を取ったそうで、なぜ今なのか、今までなぜベルギー国籍を取らなかったのか、という話をされました。一つはイタリア人の両親を慮ってイタリア国籍のままでいたようで、両親を歌った Les heures bleuesという曲を聞かせてくれました。「青い宵闇の時」というタイトルですが、普通「ブルー」というと、「憂鬱」といったイメージがありますが、この曲は母親の「青い」眼、「青い空」の「青」で幸せな「青」ということです。そして、なぜベルギー国籍を取ったのか、というのは現在の「難民問題」に関連していて、自分たちを「難民」ではなく「移民」として受け入れてくれたベルギーへの感謝のため、ということだそうです。ただ、「移民 (Migrant)」という曲の歌詞は、「移民」と「難民」が混同されているのでは、という疑義が会場からなされました。アダモとしては、人道的問題に声を上げているのですが、少し誤解されやすい曲のようです。

次に米金先生による、日本におけるシャンソン教室でのアンケート調査の紹介(クラスの生徒の年齢、人気のシャンソンや歌手、日本語で歌うのか、フランス語で歌うのか、など)がありました。なかなか興味深い発表でしたが、シャンソン教室の生徒さんたちは60歳以上の人が多く(越路吹雪が人気の歌手として3位、の世代)、今後のシャンソン教室がどう変わっていくのか、さらには存続するのか、が課題なように思えました。sIMG_06233番目は寺本先生の映画とシャンソンということで、『クレーヴの奥方』を現代に移し替えた映画『美しいひと』(クリストフ・オノレ監督)の中で、教室で女子高生と男の教員との眼差しの交差と、バックで流れるマリア・カラスのオペラの歌声とのオーバーラップ、その意味を問う面白い発表でした。最後に、ハルオさんが、アイドルと芸術家の違いはどこにあるのか、シングル盤とアルバムの売り上げ枚数で計る、という斬新なもので統計を駆使した話で、興味深いものでした(写真:ハルオさんの発表の時に司会を務めました)。

sIMG_4547sIMG_4548会の後は、信州大学からも近い浅間温泉に宿(界 松本)を取り、時間が遅くなったので、温泉に入るまえに夕食。先付け(牛しぐれの蕎麦の実いなり)の後、「土瓶蒸し」(左写真)が出ました。甘鯛に海老、松茸に白麗茸などキノコ類。今年最後(?)となる松茸をおいしく頂きました。次に「宝楽盛り」(右写真)は見た目も可愛い手毬の形の器で、三段になっており、八寸にお造り、酢の物が入っていました。「お造り」は鮭にカンパチ(左写真)。酢の物は鱒の土佐酢あえ(さすがに鱒は全く生臭くなく、土佐酢と合っていました)。「揚げもの」は白魚、野菜天ぷら、蓋物(右写真)は「茄子と鶏そぼろの博多蒸し」(写真)、「博多sIMG_4552帯」の模様に似ているので「博多蒸し」というそうです。最後に土鍋ごはんは、「紅葉鯛の割り地焼き」(写真)で、それまで十分食べておsIMG_4555腹一杯だったにも関わらず、鯛ご飯をおいしく頂sIMG_4557きました。食後、少し休憩して温泉に。無色無臭のお湯で、露天風呂は信州名物「りんご風呂」となっていました。部屋にも小さな露天風呂(写真)がついていましたが、残念ながら部屋のお風呂には入れずじまいになってしまいました。12月になると仕事がいろいろたまってきて、疲れ気味ですが、温泉に入ってリフレッシュすることがでsIMG_4560きました。

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