村田京子のホームページ – フルートコンサート

フルートゴシキヒワ知り合いのフルート奏者松村容子さんのフルート&ピアノコンサートに行ってきました(ポスター)。生駒市の企画で、毎月一回の割合でコンサートを開催しており、その一環としてのコンサートで、会場はほぼ満員状態。第一部はヴィヴァルディのフルート協奏曲「五色ひわ」。松村さんの解説によれば、フルート協奏曲を作った最初の作曲家がヴィヴァルディだったとか。「五色ひわ」は15~20gほどの小さな鳥(写真)で、翼が黄色と黒、胴体がベージュ、茶色、顔が赤く、聖母子像(ラファエロ:図版)で、幼子イエス・キリストが手にしているのが五色ヒワで聖母子像す。鳥の顔の赤さはキリストの血を連想させ、五色ひわの食べ物がアザミであることも、キリストの受難、磔刑と関連づけられているそうです。したがって、この曲はキリスト教と深く関わっていますが、キリスト教の司祭であったヴィヴァルディならではの曲と言えるでしょう。非常に明るい爽やかな曲なのですが、キリスト教の背景を知ると、その深みが感じられるような気がしました。次がモーツァルトの「ソナタ ホ短調」。モーツァルトの数少ない短調の曲で、最初、フルートのために書いた曲を最終的にはヴァイオリンのために書き直したもので、それをフルートで演奏する、という趣向となっています。ちょうど、お母さんが亡くなった頃に書いたため、短調の曲となったのかもしれません。第二部はドップラーの「愛の歌」。ドップラーはハンガリーの作曲家で、ちょうど同郷のリストと同じ時期に活躍した人で、超絶技巧が流行った時sIMG_4475代の人、ということでした。「愛の歌」はフランス語のタイトル Chanson d’amour がついていますが、松村さんによれば、曲調はフランスというよりハンガリーの曲調ではないか、ということでした。最後がプーランクの「ソナタ」。プーランクは20世紀のフランスの作曲家で、今年生誕120周年で各地で記念コンサートが開かれているそうです。この曲が最初に演奏されたのはストラスブールの音楽祭で、有名なフルート奏者ランパルが演奏したとか(前日、たまたまピアニストのルビンシュタインがストラスブールに滞在していて、ランパルの演奏を一番最初に聞いたそうです)。プーランクのフルートソナタは20世紀のフルートソナタとしては最高傑作と評され、非常に複雑な音色を楽しみことができました。演奏の合間の松村さんのトークが非常に軽妙かつ、素人にわかりやすい説明で曲の内容がよくわかり、大変勉強になりました。また、最後は日本の曲「ふるさと」などを皆で一緒に歌うなど、会場が一つになった、楽しいコンサートでした。生駒でのコンサートに参加したのは、これで2回目ですが、こうした気軽なコンサートの企画をどんどん進めてもらいたいと思っています(左写真は、松村さん、元同僚の角田先生と)。

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