村田京子のホームページ – 「奇想の系譜展」とロビュションでの食事

奇想1奇想2先日、上京したついでに、上野公園内の東京都美術館に「奇想の系譜展」(左ポスター)を見に行ってきました。美術史家の辻惟雄氏の著書『奇想の系譜』で紹介されている、江戸時代の画家6名(岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳)に加えて、白隠慧鶴、鈴木其一の8名の絵画を取り上げたもので、「因習の殻を打ち破り意表を突く、自由で斬新な発想によって、われわれを非日常的な世界に誘う」絵画展となっていました。会場に入るとまず、日本でも大人気の若冲の白い象の屏風が目に入ります。さらに精巧な鶏の絵(左ポスターの中央)が続き、圧巻は《旭日鳳凰画》(右ポスターの上部)。鳳凰の羽の一枚一枚が丁寧に描かれ、足のつぶつぶした部分も描き込まれていました。色彩も豊かで若冲の想像力のすごさに脱帽。虎の絵はkiichi白隠他の画家も描いていますが、若冲の虎は輪郭部分に少し影が描かれ、それが今にも飛び出してきそうな臨場感をもたらしていました。次に気にいったのが蕭白。《雪山童子図》(左ポスター右上の木に上った童子と青鬼)と《群仙図屏風》(右ポスターの下の部分)の青い衣を着た仙人が龍にまたがっている場面。蕭白は鮮やかな青が特徴のようですが、これも非常に丁寧に描かれ、さらに龍は恐怖を抱かせるよりも、むしろ滑稽な印象(眼が少し当惑しているような)を与えます。青鬼もあまり怖くなく、虎のふんどしをしているのが面白いところです。また、江戸琳派の奇才、鈴木其一の《百鳥百獣図》(左図)は、細密な筆致で鶏など鳥を描く一方、象やラクダのような動物は、想像の産物という現実と想像が入り混じった絵となっていました。国芳禅僧、白隠の《達磨図》(右図)は大胆な筆致で朱と黒がコントラストを成しています。白隠80歳の時の大作だそうで、高齢を感じさせないエネルギッシュな作となっています。また、国芳の《相馬の古内裏》(図)は巨大な骸骨が描かれた大胆な構図。西洋でもブリューゲルなど、「奇想の画家」がいますが、彼らに負けない「奇想の画家」たちが日本にもいたことは、誇らしい限りです。

美術館を訪れる前夜には、友人と恵比寿のシャトーレストランsIMG_4248「ジョエル・ロビュション」(左写真)に夕食を食べに行きました。店内もゴージャスな空間ロビュションで、サービスもきめ細かいものでした。コース、最初のアミューズは「サーモンフリヴォリテ さわやかなワサビの香り」(右写真)。見た目もきれいで金箔がついていました(このコースはどの料理にも金箔がかかっていました)。次は「鳥取県産 大山どりとフォアグラのマルブレ、セロリラヴのピュレと金柑のコンフィチュール)(右下写真)。厚切りのフォワグラはこれだけでもお腹一杯になりそうでした。「大根のヴルーテ ウナギのフュメを添えて」(下写真)は、絶品のポタージュスープでした。メインは「平目のポワレ」(左写真)と肉は仔羊を選びました。平目のポワレはノイリー風味のソースと白ワインが入ったもので、非常においしかったです。デザートはサヴァラン(写真)。サヴァランに林檎と薔薇の花びらが入ったシロップ、フランボワーズが色取りを添えています。最後にコーヒーとミニャルディーズ(小さなマカロンなど)。飲み物もシャンパン(ブーブ・sIMG_4251クリコ)、白、赤ワインと料理に合ったワインが出てきて大満sIMG_4249足。おいしsIMG_4254い料理と楽しい会話に時をsIMG_4250忘れ、気がつくと4時間も経っていました。

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