村田京子のホームページ – プーシキン美術館展とフレンチレストラン「ラ・ベカス」

プーシキン展お盆休みに、大阪中之島の国立国際美術館にクロード・ロラン「プーシキン美術館展」に行ってきました(ポスター)。「旅するフランス風景画」ということで、17世紀のクロード・ロラン《エウロペの略奪》(右図)から、18世紀ロココ時代のブーシェなどの作品、19世紀はコローやバルビゾン派のミレー、レアリスムのクールベ、印象派のルノワール、セザンヌ、ゴーガンなど、20世紀はドランやピカソなど様々なW 62 1865 Luncheon on the grass ma5画家の風景画が展示されていました。風景画は歴史画を頂点とするアカデミー絵画における序列は低く、ロランの絵にあるように、神話などの背景として描かれてきました。しかし、次第に風景のみをクローズアップしたものが出てくるようになりました。印象派の絵画がその代表と言えるでしょう。この展覧会の目玉はクロード・モネの《草上の昼食》(左図)(はたして風景画と断言していいのかは、少し疑問ですが)。これはモネが28歳の時、描き始めたものの、未完のままに終わり、のちに習作を仕上げたのが、プーシキン美術館に収められている絵画となっています。女性のモデルは後に妻となるカミーユで、何と、絵のすべての女性のモデルとなっています。人間を描くというよりむしろ、当時流行の衣装を描いたもので、その衣装に太陽の光がさして陰をつくっています。男性は友人の画家のバジルがモデル。しかし、ピクニックで楽しむ青年たち、という構図ですが、右端の木の後ろに男性が隠れていて、彼らを覗き見ています。何か、意味ありげ。。。ともかく、マネの有名な《草上の昼食》を意識して描いた大作です。また、もう一つの目玉がポスターにある、アンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》。税管吏という職業で、正規の絵の修業をせずに独自のタッチで描いた日曜画家のルソーですが、彼の素朴なタッチと空想の世界には魅惑されてしまいます。風景画というよりも、空想の風景画ですが、中央の白い馬は、ジャガーに襲われているのに、きょとんとした眼で、何が起こっているのかわからないようですし、ジャガーも馬を襲っているのか、抱きしめているのか、わからない構図となっています。ルソーはジャガーを見たことがなく、敷物のジャガーを参考にしたとか。道理で平べったい胴体になっています。お盆で観客は多めでしたが、身動きが取れないほどの混雑ぶりではなく、ゆっくり鑑賞することができました。

ベカス美術鑑賞の前に、お昼は淀屋橋のフレンチレストランsIMG_3941「ラ・ベカス」で食事(「ベカス」はくちばしの尖った鳥の「山シギ」の意味で、ジビエとしては最高とか)。ビルの奥にあって、通り過ぎてしまうような店ですが、中に入るとシックな店の構え(写真左)。渋谷オーナー・シェフは、ポール・ボsIMG_3943ギューズやアラン・シャベルに師事した方で、非常に凝った料理を出してくれました。アミューズ・グールはヴィシソワーズ(じゃがいもの冷スープ)に鮎のリエットが入ったもの(写真右)。リエットはパンにつけて食べるのが普通ですが、スープになっているとは。。。鮎の香ばしい香りがしました。次がフラsIMG_3944ン(洋風茶碗蒸し):自家製のオイル・サーモンにとうもろこしなどが入ったもの。次に帆立のクロケット(コロッケ)(写真左)。下に焼きなすのソース。クロケットがパリッと歯ごたえもよく、なすとよく合っていました。バターやクリームなどsIMG_3945を使った伝統的なフランス料理よりは、軽めの味付けのソースが特においしかったです。次がオマール海老のサラダ(写真右)。これも、見た目もきれいで白トリュフを焼いたものが上に載っています。次が少し中華風で、鱧を骨切りするのではなく、骨を抜き取ったもので、すごく柔らかい歯ごたえ。スープも鱧の頭などからとったそうです。それに、長芋やこんにゃく、人参など和の素材を使ったスープ。小さな肉まんがついていて、sIMG_3947肉まんをスープにつけたら、絶品の味になりました(写真左)。次が鰆に味噌のソース、そしてメイン二つ目は、仔羊のパネ(写真右)。さすが、ジビエ料理の得意なシェフだけあり(来日したフランス人シェフも絶賛だったとか)、非常においしかったですが、量が多くて全部は食べきれませんでした。デザートはメロンのスムージーに蜂蜜のアイスクリーム。スカートが苦しくなるくらい満腹となりましたが、大満足のランチでした。

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