村田京子のホームページ – ショパン ピアノレクチャーコンサート

ショパンピアニスト・作曲家のショパンとジョルジュ・サンドの恋の始まs八木邸2り(1838年6月)から180年周年を祝って、「ショパンの恋 告白のプレリュード 女流作家ジョルジュ・サンドとの恋」というレクチャーコンサート(ポスター)が香里園の八木邸で開催され、参加してきました。八木邸は、有名な建築家藤井厚二が1930年に建てた二階建ての家で、当時の家具調度がまだ残っている貴重な建物です。コンサートの前に家の中を見学させてもらいました。当時、まだ冷暖房の設備がない時代に、各部屋の足元に窓がついていて、そこから風が通るようになっており、窓の開け閉めで温度調節ができる、という機能的な作りになっていました。左写真は食堂に続く居間で、電動掘りごたつになっています。すごく広い台所は建った頃からオーs八木邸ル電化とか。2階は洋間と、畳の間(お琴などが置いてありました)、寝室(広いベッド)と子ども部屋(ここもベッド)があり、階段横には机と椅子が置かれ(写真右上)、ソファーは作り付け(1階の客間も)で、ぴったりはまった形になっています。2階にも顔を洗える水場(タオル掛けも作りつsIMG_3872け)があり、トイレもあって下まで降りて行く必要がなくて便利。この家の当主の八木さん(84歳)ともお話出来ましたが、この家の維持が大変ということでした(庭木の手入れだけで年4回植木屋さんに入ってもらっているとか)。現在は、同じ敷地内の、裏手の家にお住まいだそうです。シンプルな建築ですが、住み心地の良さを最優先した設計だと思います(写真右は玄関)。

コンサートは客間でピアノの後ろに椅子を並べる形のアットホームな雰囲気(規模は違いますが、19世紀フランスでショパンが好んだ20人くらいの客の前で演奏したサロン・コンサートを彷彿とさせます)で、ピアノは八木さんのお母様が嫁入り道具として持って来られた、ドイツのゲラーというピアノ。建築デザイナーで、フランスとの文化イベントなども手掛けておられる金子文子さんが、サンドの自伝『わが生涯の記』から、ショパンとの生活(サンドは1838年から9年間ショパンと一緒に暮らしました)を綴った部分を抜粋して読みあげた後、ピアニストの出口瑞穂さんがショパンの曲を演奏する、というのを繰り返す形で行われました。演目は「ノクターン」や「マズルカ」「雨だれ」(スペインのマヨルカ島で作曲)、「スケルツォ」などおなじみの曲の他にポーランド民謡から作曲した「ワルツ」、彼の遺作の「ポロネーズ」(かなり暗い曲)は初めて聞いた曲でした。ショパンは「スケルツォ」のような激しい曲も書いていますが、むしろピアニシモを大事にする繊細な曲も多く、その意味では大きなコンサート会場よりも、今回のようなサロン・コンサートの方がショパンに向いていると、改めて実感しました。あいにくの大雨でしたが、客間は観客で溢れるほどの盛況ぶりでした。コンサートの後は、ハーブティが供され、歴史的建築物の中で、ゆったりとした優雅なひと時を過ごすことができました。

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