村田京子のホームページ – シャンソン研究会とワイナリー見学

バルバラ信州大学でのシャンソン研究会に参加してきました。今年はフランスのシャンソン歌手、バルバラ(写真)の死後20年ということで、フランスではバルバラの映画やCD発売、回顧展などが盛んに行われています。それにちなんで、高岡先生と中祢先生がバルバラについての発表をされました。バルバラは、幼い頃はユダヤ人としてナチスの迫害を受けてフランス中を逃げ回り、彼女が17歳の時に父親が失踪する、といった辛い人生を歩んできたせいか、黒の衣装が彼女のトレードマークで、彼女には自殺願望が強かったようです。しかし、彼女の作る歌詞は哲学的で、人の心を惹きつける深さを持ち、ヨーロッパだけではなく日本でも非常に人気のある歌手でした。彼女の代表曲、「ナントに雨が降る」は行方不明であった父が危篤状態で彼女に会いたがっている、という電話をナントの病院から受けたことがきっかけで作った曲とのこと。後に出版された彼女の回想録では彼女が11歳の時から数年にわたって父親から性的虐待を受けたことが書かれ、父への激しい非難の言葉が見られるそうです。彼女のもう一つの代表曲「黒い鷲」は真夜中、少女の眠っているそばに突然、黒い鷲が大きな翼を広げて舞い降りてくる、という内容ですが、「黒い鷲」は父親の象徴と言われています。父の行為は幼いバルバラに深い心の傷を残し、父親への恨みや憤りに満ちていると思われるのに、慈しみの気持ちを込めてバルバラがこの歌を歌っているのはなぜなのか。高岡先生はこの疑問から発して、ナントの病院で父親と懇意にしていた人から父が4人の子どもたち、特に彼女を愛していた、ということを聞かされ、父を許したのではないか、という結論にいたったそうです。果たして父を許せるのか、というのは判断が難しいところですが、歌うことが彼女の生きる心の糧であった、というのはよくわかります。久しぶりにバルバラを聞いてみようと思っています。

sIMG_3649研究会の翌日は、信州大学のマイクロバスで、ワイナリー見学に行ってきました。まず、ソムリエの玉村豊男さんの「ヴィラデスト・ワイナリー」では、ちょうどワイン祭りが行われていたので、ワインの試飲(写真左)をしました。何種類か飲んでみましたが、巨峰のスパークリングワインは、ロゼ系で見た目もきれいでおいしかったです。ワインと軽食を取った後、マンズワイン小諸ワイナリーへ。キッコーマンが経営しているワイナリーで「マンズワイン」とか。ガイドツアーがあり、まず葡萄畑へ。この時期はすでに収穫は終わっているsIMG_3655のですが、見学者用にひと畝、実を残してくれていました。シャルドネやメルロー、ソーヴィニョンなどおなじみの品種(写真右:メルローは大きな実で食べてもおいしかった!)の他に、日本の品種も幾つかありました。ピノ・ノワールだけはフランスでしかおいしいワインはできないとか。日本ワインもこのところ、品質が向上してフランスでも賞を取るものもsIMG_3661あり、先日来日したトランプ大統領が乾杯で飲んだワインは白のマンズワインだったとか(ただし、その後はダイエットコークを飲んだそうです)。オーク材の樽(写真)も見せてもらいました。その焼き加減が肉と同じでミディアムとかウェル・ダンとかあるそうです。一樽で300本くらいのワインになるそうで、樽の使用期限は15年くらいとか。ここでもお勧め白ワインの試飲をしました。高地なのでさすがに空気は冷たく、手がかじかみそうになりましたが、ワイン尽くしの一日を満喫しました。

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