村田京子のホームページ – 「フェルメールと風俗画の巨匠」展

Jan_Vermeer_van_Delft_008ルーヴル美術館でフェルメールの特別展があると聞いて朝早くから出かけていきました。フェルメール250px-Vermeer_A_Lady_Writingはフランスでも人気が高く、見るためには予めインターネットで時間を予約しないといけないのですがすでに売り切れ。当日券があるのでは、と思い、開館の9時より15分前に列に並びました(土曜日なので客の出足が遅くなるという見込みが見事に当たりました!)。幸Jan_Vermeer_van_Delft_016い、すぐに入れて9時半の予約が取れ、オーディオフォンを借りてゆっくり見ることができました。フェルメールの≪真珠の首飾りの娘≫(図左)、≪手紙を書く娘≫(図右)、≪地理250px-Jan_Vermeer_-_The_Astronomer学者≫、≪天文学者≫(図左下)、≪レースを編む女≫(図右下)、≪牛乳を注ぐ女≫(図右下)、Vermeer_-_The_Milkmaid≪ヴァージナル[オルガンのような楽器]の前に座る女≫、≪信仰の寓意≫などが展示されていて、若い娘の輝くように白い肌、黄色地に白い毛皮がついた豪華な衣装やきれいな青の衣装を着た裕福な娘たちの無垢な姿が映し出され、さらに彼女たちのお稽古事(リート、ヴァージナル)やレース編み、手紙(おそらく恋人に宛てたもの)に集中している(または、ふと書くのを中断してこちらに顔を向けている)様子が生き生きと描かれています。フェルメール特有の美しい青色も引き立っていました。さらにフェルメールと同時代の風俗画家(メツー、ネッチェル、テルボルフなど)の絵画も展示され、フェルメールと比較することができます。特に面白かったのは男女のきびを描いたもので、ミーリスおよびオクトかきヴェルトの≪牡蠣≫では、二作とも椅子に座っている女性に男が牡蠣を勧めているところが描かれています(図下)。「牡蠣」は媚薬的効果を与えるとしてエロチックな意味があり、人物の後ろにベッドが描かれているのが暗示的です。フェルメール展と同時に併設されていた「ヴァランタン・ブーローニュ カラバッジョの再創造」も見てきました。カラバッジョほど激しい色ではありませんが、ゴリアテとダビデ、ユーデットとホロフェロネスなど神話的な主題が描かれていて興味深かったです。さらにレンブラント展も見てきましたが、ルーヴルはあまりにも多くの作品が展示されていて迷路のようで、自分の見たい絵を探し当てるのにぐるぐる回り、3時間半歩き回るとすっかり疲れてしまいました。もう一つ Corps en mouvement. La danse au muséeも見たかったのですが、結局たどり着くことができず、ギブアップしました。

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