村田京子のホームページ – モード・織物美術館と装飾美術館

この二つの美術館はルーヴル美術館の近くにあり、並び立っていて両方を一度に見ることができます。まず、モード美術館では特別展Tenue correcte exigée. Quand le vêtement fait scandale(「要求される正しい衣装;服装がスキャンダルを引き起こすとき」)を見ました。18世紀のマリー・アントワネットの時代から現代にいたるまでのとりわけ女性の服装で、社会的規範、道svlbmarose徳に反するものとして非難されたsindex衣装を展示したもので、非常に興味深いものでした。例えばマリー・アントワネットの肖像画にはコルセットをつけていないシュミーズ姿(左図)のものがありますが、いわば下着姿をさらけ出しているわけでタブー違反であったわけです。現代で言えば、マドンナが下着を強調したゴルチエの衣装(写真右)を着てセンセーションを引き起こしたようなものでしょうか。女性の乗馬服アマゾンも長いスカートで足を見せないようにしていますし、ジョルジュ・サンドのように男装(左下図)すると、かなりのスキャンダルとなったわけです。日本のデザイナーの川久保玲のComme des garçons に代表される男の子のような服、山本耀司のデザインのように服の一部が破れているルンペンルックが(写真右下)syamamoto流行ったのも紹介されていました。逆に鏡の前に何時間も立って念入りな身繕いをするダンディ(図版)、スカートをはく男性ファッション(写真)、男女同じユニsdandyセックスの衣装、化粧する男性像もあり、「男らしさ」「女らssand caricature5しさ」という範疇がだいぶ乗り越えられてきたのスカートかもわかりません。装飾美術館では中世からアール・ヌーヴォー、アール・デコ、現代にいたるまでの室内装飾と美術工芸品が展示されていて、今回は18世紀~20世紀までの食器(銀食器、金製品など豪華な食器)が展示(写真)sIMG_3053されており、バルザックやゾラの小説の大饗宴に出てくる豪華な食器が具体的にどんなものであったかが想像できるようになりました。19世紀の有名人の部屋も再現されていましたが、私にとって興味深かったのは第二帝政期の有名な高級娼婦ヴァルテス・ド・ビーニュの寝室(写真)が再現されていたことで、ゾラが高級娼婦を描いた小説『ナナ』の主人公の寝室はヴァルsIMG_3057テスの寝室をモデルにしたと言われています。また、現代の女性の芸術家の作品を集めたコーナーもあり、芸術の世界でも男性中心主義が台頭していましたが、女性の作品も評価されるようになったことは良かったと思います。しかし展示があまりにたくさんあり、2時間くらい歩き通しで足が棒のようになりました。

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