村田京子のホームページ – 「文学とジェンダー」ミニシンポジウム
「文学とジェンダー」ミニシンポジウム(人間社会システム科学研究科人間科学専攻共同研究プロジェクト)
「文学とジェンダー」
開催日: 2016年11月22日(火)
場所 大阪府立大学なかもずキャンパスA15棟1階130教室
コーディネーター 村田京子
《案内》今年度の「文学とジェンダー」共同プロジェクトのミニシンポジウムを下記の通り、開催します。今回は中国文学専門の本学教員が、DVDなど最新の映像資料も使い、武術小説における「闘う女性たち」についてお話をします。関心のある方はふるってご参加下さい(詳細はポスターを参照のこと)。

2時~3時 : 大平桂一  「闘う女性たち―武術小説の中の女性像」

3時15分~3時45分 : 自由討論

《報告》11月下旬とは思えない暖かい一日で、講演会日和となりました。今回は大平先生のお話(写真左)で、『史記』に出てくる絶世の美女、虞美人が四面楚歌の場面で二振りの剣を使って舞う(女性はなぜか、二刀流だそうです)、というところから始まり、『世説新語』に出てくる桓温の正妻公主が嫉妬に狂って妾の李氏を襲う場面や、ディズニー映画「ムーラン」のモデルの木蘭の紹介がありました。木蘭は年老いた父親に代わって男装して出征し、勇敢に戦って10年後に故郷に帰還。その間、仲間の兵士たちは彼女が女であることに気づかなかったとか。また、唐代になると伝奇小説に女性の暗殺者(幼い時に尼に誘拐されて暗殺術を仕込まれた)が登場するそうです。標的を暗殺した後、首を持ち帰り、それに薬をかけると首は跡かたもなくなり、「水」になってしまう、というもので、恐ろしい限りです。その他にも『水滸伝』に男以上に腕っぷしの強い女性が登場します。清代には十三妹という女傑が大家の若様を救い、賊をなで斬りにするものの、最後には殺人を恥じ、若様と結婚して貞淑な妻になるという、かなり矛盾した筋になるそうです。ここまでは「戦う女性」といっても、あまりその心情が描かれることはなく、スペインのピカレスク小説の女性版のようにも思えました。現代の小説家、金庸の武術小説あたりから、女性の武術家の成長物語、「教養小説」の要素が入ってくるようです。話の前に大平先生が修業(?)のために持っておられる大理石の球や棒術の説明もあり、用心棒は竹棒に鉛を入れて敵を打ち倒すそうです。棒術も少し披露してくれました(写真)。最後にワイヤーアクションのすごい映画「グリーン・デスティニー」の映画の場面を幾つか見せてくれました。昔、何度か見た映画ですが今でも迫力がありました。質疑応答も活発に行われ、盛会のうちに終わりました(参加者25名)。

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