村田京子のホームページ – ジョットのフレスコ画

パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂に、ジョット(1266-1337)のフレスコ画があるというので見に行きました。パドヴァ駅から徒歩10分くらいに大きな公園があり、その一画に礼拝堂およびエレミターニ市立美術館があります。ジョットの絵を見るにあたっては、完全予約制でインターネットで時刻を予約し、その時刻までに美術館に着いて切符に交換する必要があります(1回に入れるのは20人程度)。礼拝堂の前で待機し、時刻が来るとまず小さな部屋に通され、ビデオで10分間説明を聞きます。その後の10分間で礼拝堂を見る、という仕組みになっています。訪れた日は35度を越す暑さでセミがしきりに鳴いていました(紫陽花も咲いていて日本の梅雨と真夏が一緒にきたような気分です)。このフレスコ画は1303年~05年にかけて描かれたもので、さすが、ジョットの「最高傑作」とみなされるに値する素晴らしいものでした。イエス・キリストおよび聖母マリアの生涯が描かれていますが、特にその美しい青が目を引きます(写真左)。「キリストの生涯」の中でヨハネの前に姿を現わす天使(写真右)が印象的(天使の顔や翼は詳細に描かれているのに、胴体の部分がぼやけていて、逆に天使の軽やかな動きが感じられます)。もう一つ印象に残ったのは、やはり「最後の審判」(写真下)で、特に地獄では怪物(映画「スターウォーズ」にでてくるジャバのような怪物)およびドラゴンが人間を食っている場面は衝撃的でした。この「最後の審判」は15世紀のフランドルの画家ヒエロニムス・ボスを彷彿とさせるものでした。案内係が説明してくれるのですが、イタリア語なのでよくわからず、それが残念でしたが、ジョットの絵を堪能できました。

お昼はスタンダールの『パルムの僧院』にも出てくるカフェ・ペドロッキ(1831年創業)―当時、文化人、芸術家が集ったカフェとのこと―でスモークドサーモン・サラダとミントの入ったカプチーノを飲みました。

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