村田京子のホームページ – ヴェネツィア、ダニエリホテル

ヴェローナから列車で1時間余りのところにヴェネツィアがあります。今回は、ジョルジュ・サンドと彼女の恋人アルフレッド・ド・ミュッセがヴェネツィアに旅をした時(「ヴェネツィアの恋」で有名で、映画にもなっています)、二人が泊まったダニエリホテルを訪れました。このホテルは14世紀末に建てられた総督邸をホテルに改造したもので、豪華なゴシック様式の館がそのまま残されています(今では5つ星デラックスホテル)。ロビーのシャンデリアが当時の面影を残していて、昔ながら雰囲気を保っています(写真左)。二人が泊まったのは2階の10号室。残念ながら客が入っているので内部は見せてもらえませんでしたが、ドアの前まで案内してもらいました。さらに、14世紀当時のままのサロンも見ることができました。最上階のテラスレストランから見たヴェネツィアの風景は絶景でした(写真右)。サンドたちも同じ光景を見たのだと思うと感激も倍増です!今回はヴェローナでのシンポジウムの合間にヴェネツィアに足を伸ばしたため、半日しか時間が取れず、あとはアカデミア美術館に寄り、ティツィアーノの聖母マリアの少女時代を描いた《聖母マリアの神殿奉献》(写真下左)を見るだけで時間切れとなりました。この作品は、バルザックが『村の司祭』で言及しているもので、女主人公ヴェロニックが幼い頃、この絵の聖母マリアに喩えられ、将来の美貌が約束されていたのが天然痘によって顔にあばたができて醜くなる筋書きとなっています(ただし、心から感動した時、真の愛情を抱いた時には昔の美貌が蘇るというもの)。他にもティントレットやベリーニなどヴェネツィア派の絵画が収容されていました。ヴェネツィアはすでにバカンス客で一杯で、水上バスも満杯、水路にはゴンドラが多く通り過ぎていました。次回は是非、ダニエリホテルに泊まって、ゆっくりヴェネツィアを満喫したいと思います。

HOME | PROFILE | 研究活動 | 教育活動 | 講演会・シンポジウム | BLOG | 関連サイト   PAGE TOP

© 2012 村田京子のホームページ All Rights Reserved.
Entries (RSS)

Professor Murata's site