村田京子のホームページ – ゾンタクラブ

11月13日夜に「ゾンタクラブ」大阪Ⅱ支部で、18世紀末~19世紀前半にかけてフランスで活躍したジャンリス夫人について、話をしてきました(左の図版はジャンリス夫人が子どもたちにハープを教えているところ;左からジャンリス夫人、ルイ・フィリップの妹アデライド、養女のパメラ)。主にジャンリス夫人の代表作『アデルとテオドール』における女子教育論を取り上げ、ルソーの『エミール』とは違い、女性の劣等性を否定し、男女ほぼ平等の教育を主張したことに彼女の特色があることを述べました。実際に後の国王となるルイ・フィリップの養育掛りとして、彼女はその教育方針を実践しました。また、学問だけではなく、健康・衛生にも気を配り、3歳の女の子にもコルセットをつける当時の習わしに反対をしています。ただ、ジャンリス夫人は、女性に男性と平等の政治的・社会的権利を与えるべきだと主張していたわけではなく、女性の知的能力はあくまでも家庭内に留めるべきだとする良妻賢母主義を説き、そこに18世紀の貴族の女性である彼女の限界があったとも言えます。しかし、理想の教育を論じながら、現実では実子を5人とも捨て子にしたルソーと違い、二人の娘の他に甥や姪、複数の養子、オルレアン家の4人の子どもたちを教育したジャンリス夫人の教育論は、経験に基づいたもので、教育者としての自負がうかがえます。

ゾンタクラブは言わば、ロータリークラブの女性版(下にゾンタクラブのHPを貼り付けておきます)で、メンバーも医者、税理士、弁護士、大学教員など社会の第一線で活躍している女性の方々でした。こうした異業種の方々の前でお話するのは少し緊張しましたが、皆さん、熱心に聞いて下さいました。その後の食事会でも皆さんといろいろお話ができて、楽しいひと時を過ごしました(右下写真は、ゾンタクラブの方々と)。

「国際ゾンタは奉仕と支援を通して全世界の女性の地位向上のために活動する世界的な社会奉仕団体です。1919年11月8日にアメリカ合衆国ニューヨーク州バッファローにおいて設立されました。世界67ケ国に1,200以上のクラブがあり、約30,000人の会員で運営されています。ゾンタクラブの会員は、世界的な友好を通して理解・親善・平和の促進のために共に助け合い、女性の平等の権利、政治的な均等、教育と健康の享受、女性と子供に対する暴力の根絶など、国際ゾンタが提唱するプロジェクトを支援するために活動します。日本のゾンタクラブは、東京Ⅰゾンタクラブが1961年(2014年9月現在67ヶ国16番目の加盟)に国際ゾンタから認証されて52年が経ちました。世界32地区エリアの中、日本は26地区に属し、2014~2016年ガバナー・豊田由起子(東京Ⅱ)氏のもと全国に47クラブ、約1,000名の会員が活躍しています。」(ゾンタクラブHPより http://zonta-d26.jp/

 「ゾンタ」という名前は、アメリカの土着語で、スー族が話していたティトン方言の言葉で、「正直で信頼できる」という意味だということです。私自身、これまでゾンタクラブの存在を知らなかったのですが、ゾンタクラブが日本でも大いに活躍しているということを、もっと多くの人が知るようになることを願っています。

「大阪Ⅱゾンタクラブ第39号(2015年3月)」報告(坂本千代氏)

HOME | PROFILE | 研究活動 | 教育活動 | 講演会・シンポジウム | BLOG | 関連サイト   PAGE TOP

© 2012 村田京子のホームページ All Rights Reserved.
Entries (RSS)

Professor Murata's site