村田京子のホームページ – 松村容子フルートコンサート

知り合いの松村容子さんのフルートコンサートに行きました。生駒の北コミュニティセンターは富雄駅からも少し遠いところにありますが、広いなかなか素敵な会館でした。バッハ、グルック、モーツァルトなどの古典派からビゼー、ドップラー、パガニーニといったロマン派、さらにフォーレやドヴィッシー、ピアソラなどの20世紀の現代音楽と様々な曲(その代表作)をフルートで演奏、演奏の合間に松村さんのわかりやすい解説が入る、という楽しいコンサートでした。バッハの頃の組曲は舞曲(ドイツ舞曲、フランス舞曲など国別)が組み合わさったもので、フランス舞曲はブーレという踊りだというお話を聞き、ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』で、ファデットがランドリーに要求するのが村の祭りでブーレを7回踊ることであった、というのを思い出しました。また、グルックの名前は19世紀フランス文学によく出てきますが、彼がマリー・アントワネットの音楽の教師を務め、アントワネットがフランスに来る時に同行し、パリでオペラを演じるようになった、というのは知りませんでした。19世紀前半は、イタリア人のロッシーニ、ポーランド人のショパン、ハンガリー人のリストといったヨーロッパ中の音楽家がパリに集まってきた時代ですが、イタリア人のパガニーニもその一人で、その超絶技巧は「悪魔が乗り移ったような」とさえ言われるほどで、今日の演目にある「カプリース(狂詩曲)」はまさにその典型と言えるでしょう。ドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」に関しては、ハンガリーと日本の多くの共通点(特に音階)の説明があり、日本の「追分」などの民謡とハンガリー民謡の類似をフルートで弾いてもらい、非常によくわかりました(尺八を彷彿とさせる音色に聞こえました)。最後に日本の歌曲(「荒城の月」「ふるさと」「浜辺の歌」)の演奏があり、「浜辺の歌」は皆で合唱し、大いに盛り上がりました。単に演奏のみを聞くよりも、こうしたレクチャーコンサートは、非常に勉強になり、音楽がより身近になったような気がします。市の催しなので、500円の入場料で、市民が気軽に参加できるこうした催しが増えることを願っています。

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