村田京子のホームページ – ラファエル前派展

3月22日に東京の森美術館にラファエル前派展を見に行ってきました。イギリスのテート美術館収蔵のラファエル前派の主だった画家たち(ロセッティ、ミレイ、バーン=ジョーンズ、モリスなど)の絵が一堂に会した展覧会で、その中でもやはりロセッティの《プロセルピナ》は、「宿命の女」の妖しい魅力を湛えていました。この絵のモデルは有名なジェーンですが、それに対して《ベアタ・ベアトリクス》はロセッティの恋人のシダルがモデルで、薄幸の女性というイメージが彼女にはつきまとっていました。同じく彼女がモデルとなった、ミレイの《オフィーリア》も、「宿命の女」とは対極にある「男の犠牲となる女」のイメージとなっています。風景画も展示されていましたが、ラファエル前派は、シェークスピアやダンテ、アーサー王伝説、神話など文学を題材とする詩的な雰囲気を漂わしているのが一番の特徴だと改めて思いました。

10時の開館直後に美術館に行きましたが、祭日ということもあって、切符売り場は朝から長蛇の列で、ラファエル前派の人気ぶりがうかがわれました。それにしても、東京は上野の美術館群や六本木ヒルズなど、あちこちに美術館があって、いろいろな展覧会が開かれているのに、大阪まではなかなか来ず、大阪の文化事業の貧困は嘆かわしい限りです。

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