村田京子のホームページ – ゲストスピーカー 山内先生と

「西洋文化史」の授業で、今年は「食の歴史」をテーマとしたので辻静雄料理教育研究所顧問、山内秀文先生をゲストスピーカーに迎え、授業をしてもらいました。山内先生は「コーヒーおたく」と自称されておられるように、コーヒーは生豆から選んで、自宅にある業務用の焙煎機で焙煎して飲む、というコーヒー通で、今回はコーヒーとカフェ(喫茶店)に関する歴史をレストランとも絡めながら話して下さいました。文献に残っている限りでは、コーヒーは14世紀中ごろのエチオピア、アデンで最初に飲まれ、イスラム圏でカフェが始まったこと、それがオランダ、イギリス(コーヒーハウス)を経由してフランスでは1672年に現れたそうです、ワインは人を酩酊させますが、コーヒーは覚醒剤として、理性の時代である啓蒙時代にぴったりの飲み物と言えます。とりわけカフェ・プロコプが有名で、コメディ・フランセーズ前のこの店は、17世紀にはラシーヌやフォントネルなど詩人、劇作家たちが集まり、18世紀になるとヴォルテールやディドロ、ダランベールなど啓蒙思想家たちがここで『百科全書』を作ったとされています。そして、カフェ・ド・ラ・レジャンスではチェスが興じられたそうで、著名人たちが集まる場となったようです。また、革命sIMG_4233sIMG_4237前夜のパレ・ロワイヤルでのカフェ・ド・フォワの果たした役割(デムーランは「武器をとれ!」とアジ演説をし、それがバスチーユ襲撃につながる)や、さらには1830年以降にはやったイタリア通り(ブルヴァール)のカフェ=レストランの話など、様々な図版を見せながら貴重な情報を教えて下さり、90分では足りずに時間オーバーするほど熱のこもった授業となりました。その後、有志の方々と近くのイタリアレストランに昼食を一緒に食べに行きましたが、そこでもコーヒー談義、レストラン談義に盛り上がりました(写真はレストランでの山内先生と聴講生の方々)。山内先生、楽しい授業をありがとうございました。

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