先日、創作料理のお店「アコルドゥ」(Akorduというスペイン語で「記憶の実」という意味だそうです)にランチに行ってきました。奈良の依水園の近く、ちょうど以前に行った「夢想庵」の隣にあります。川島シェフはスペインのバスク地方で料理の修業をしたそうで、数年前に富雄駅の近くのお店「アコルドゥ」でエスプーマ(食材をムースのような泡状にする)料理を食べたことがありますが、その店が奈良に移転したものでした。料理は非常に凝っていて絵画的な盛り付けがなされています。まず、前菜は「枯れ木と落ち葉、オリーヴ」(写真左)。本物の枯れ木と落ち葉の間に、少し香辛料を利かせた葉っぱの前菜が混じっています。次は「土にまみれた大和マナ、御所のヨーグルトとハーブ」(写真右)。シェフは奈良の食材をふんだんに使っていますが、マナを土から抜いた時の根っこ、そして「土」はオリーヴとパンを揚げたものだそうです。ヨーグルトも普通のものよりまったりしたものでした。次が「菊芋のソパ(スープ)、帆立のプランチャとエア」(写真左下)。プランチャは帆立を焼く鉄板の名前でエアはエスプーマのことです。カプチーノ風に仕立てているとか。特に帆立が絶品の味!次が「塩鱈のピルピル、焼いたネブカ」(写真右下)。塩鱈をオリーヴオイルで焼くと鱈がピルピルという音を出すそうです!鱈は普通、味が淡白ですが焼いたためにこくがでて食べ応えがありました。最後に「炙った豚バラ、枯れ葉と小枝、カリフラワーピュレと焼きラッキョウ」(写真左)。「枯れ葉」の下に埋もれた弾力のある豚肉をシェリー酒の入ったソースで食べますが、ちょうどスパークリングワインを飲んでいたので、そこにもシェリーを足してもらい、料理と一緒に楽しみました(スパークリングワインがかなり重みをもつ味に変わりました)。デザートは「古都華(奈良産苺)のマリネ、クリームソーダ、ジェラート」(写真)。苺をソーダに漬けこんだものの上に濃厚なジェラートが乗っていました。「枯れ葉や枯れ木」などによる冬の景色と、菜の花など春の気配を感じさせる野菜が使われ、おかげで季節感溢れる料理を満喫できました。厨房もガラス張りで厨房を横目に見ながらテーブルにつく、という趣向でした。帰り際にピカピカに磨かれた厨房も写真を撮らせて頂きました(写真:左が川島シェフ)。