ジェンダー講演会
「19世紀の女性芸術家と女性知識人―書簡にみる女性たちのネットワーク」
《案内》奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター主催、大阪府立大学女性学研究センター後援で、下記のジェンダー講演会を開催いたします。講演者はフランス、カーン・ノルマンディー大学教授でフランス・ジョルジュ・サンド学会の会長でもあったブリジット・ディアズ先生で、先生は長年サンドの書簡について研究されてこられました。今回はサンドを中心に、同時代の女性芸術家・作家たちとの交流を探るものです。フランス語での講演ですが、逐次訳もありますので興味がある方は是非、ご参加下さい(詳細は講演会ポスターを参照のこと)。
5月24日(火): Brigitte Diaz : « Femmes artistes et intellectuelles au 19e siècle à travers leurs correspondances »
《報告》真夏を思わせる初夏の午後、50名を越す奈良女子大の学生さんたちで一杯の教室でブリジット・ディアズ先生の講演が開催されました(写真左は講演中の先生)。ご講演では、19世紀フランスの女性にとって職業作家になるのがいかに難しかったか、そして作家修業のツールとして書簡が大きな役割を果たしたことを明らかにされました。書簡は「論理性がなく、とりとめもなく書きつづる文学ジャンル」として女性の領域とされながら、女性作家の書簡集の数が少ない中で、28巻にのぼるジョルジュ・サンドの書簡集は群を抜いています。ディアズ先生によれば、そこにはサンドと他の女性作家や作家志望の女性たちの交流が数多く見られ、サンドの書簡集が女性たちのネットワークを知る上で貴重な資料となっています。サンドは作家志望の多くの女性たちのイニシエーターの役割を果たしていたこと、しかしその中で作家として成功したのはマリー・ダグーなど少数であったこと、そして彼女たちが様々なメディアから数々のバッシングを受けたことをカリカチュア等を通して明らかにされました。講演の後、学部学生や院生などを交えて、奈良女子大のテラスでコーヒーを飲みながらディアズ先生ご夫妻と歓談しました(写真右)。夕方は奈良まちをぶらぶら皆で散策し、ご夫妻は京都とは違う、少し鄙びた奈良の魅力を発見されたようです。
東京でも同じ内容の講演会(日仏女性研究学会主催、於 日仏会館)が5月26日に開催されました。その報告は、『女性情報ファイル』第124号、p.7に掲載されています。
開催日: | 2,016年5月24日(火) |
場所 | 奈良女子大学 総合研究棟S228 |
コーディネーター | 高岡尚子 奈良女子大学教授 |
5月24日(火): Brigitte Diaz : « Femmes artistes et intellectuelles au 19e siècle à travers leurs correspondances »
《報告》真夏を思わせる初夏の午後、50名を越す奈良女子大の学生さんたちで一杯の教室でブリジット・ディアズ先生の講演が開催されました(写真左は講演中の先生)。ご講演では、19世紀フランスの女性にとって職業作家になるのがいかに難しかったか、そして作家修業のツールとして書簡が大きな役割を果たしたことを明らかにされました。書簡は「論理性がなく、とりとめもなく書きつづる文学ジャンル」として女性の領域とされながら、女性作家の書簡集の数が少ない中で、28巻にのぼるジョルジュ・サンドの書簡集は群を抜いています。ディアズ先生によれば、そこにはサンドと他の女性作家や作家志望の女性たちの交流が数多く見られ、サンドの書簡集が女性たちのネットワークを知る上で貴重な資料となっています。サンドは作家志望の多くの女性たちのイニシエーターの役割を果たしていたこと、しかしその中で作家として成功したのはマリー・ダグーなど少数であったこと、そして彼女たちが様々なメディアから数々のバッシングを受けたことをカリカチュア等を通して明らかにされました。講演の後、学部学生や院生などを交えて、奈良女子大のテラスでコーヒーを飲みながらディアズ先生ご夫妻と歓談しました(写真右)。夕方は奈良まちをぶらぶら皆で散策し、ご夫妻は京都とは違う、少し鄙びた奈良の魅力を発見されたようです。
東京でも同じ内容の講演会(日仏女性研究学会主催、於 日仏会館)が5月26日に開催されました。その報告は、『女性情報ファイル』第124号、p.7に掲載されています。