村田京子のホームページ – バレエ「真夏の夜の夢」(オペラ・バスチーユ)

バレエオペラ・バスチーユのバレエ「真夏の夜の夢」を見てきました。シェイクスピアの原作をジョルジュ・ヴァランシンがバレエとして演出、舞台装置・衣装をクリスチャン・ラクロワが担当していて、妖精たちの水色やピンク、赤の衣装はそれぞれ軽やかで華やか、本当に夢の世界の雰囲気を醸し出していました(妖精たちの衣装には90万個のスワロスキーのクリスタルが縫い込まれているとか)。舞台も森の奥の幻想的な妖精の国がうまく表現されていました。まず、10代の少女たちの踊りから始まり、本当に可愛らしい踊りでした。その後、妖精の女王Titaniaが登場。妖精の王子Obéronが彼女に求婚しますが女王は相手にしません。さらに二組の恋人たち(赤の衣装を着たカップルと青の衣装を着たカップル)が登場しますが、青のカップルは仲睦まじいのに、赤の男性は青の女性に惹かれて、彼にしがみつく赤の女性をつれなく突き放します。青の女性にしつこく付きまとう赤の男、それを嫌がる青の女性は逃げ回る、赤の女性は赤の男性を追いかける、というように恋人たちの追いかけごっこが始まり、さらにいたずら好きのパックたちが悪さをして恋人たちはパックにかき回される、という状態。さらにパックにロバにされた男にTitaniaがパックの魔sIMG_3062sIMG_3065法で好きになる、という風に話が錯綜していきますが、最後はパックが元に戻して3組のカップルの結婚で終わる、という恋愛劇が描かれています。特にTitania役のEleonora Abbagnato, 赤の衣装の女性Laëtitia Pujolは本当に体がしなやかで軽やかな動きで見惚れてしまいました。妖精の王役のHugo Marchandもダイナミックで高い跳躍で目を惹きました。シェイクスピア劇は本来、欲望が入り混じる世界でもありますが、ヴァランシンのバレエは多少、官能的は場面もありますが、むしろ夢幻の世界を美しく描いています(写真は舞台最後の挨拶の場面)。観客には小さな子どもたちもいましたが、このバレエは子どもたちも十分楽しめるバレエとなっていました。日本人のバレリーナも加わっていて、プリマ目指して頑張ってほしいものです。座席が正面4列目真ん中だったのでバレリーナたちの顔の表情までくっきり見ることができました。

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